カトリック福岡教区は、九州地方を襲った豪雨被害を受け、災害支援のための特設サイトを開設した。サイト内では、被災者支援募金の受け付けや被災状況の報告、ヨゼフ・アベイヤ司教のメッセージ、同教区の災害被災者支援室の連絡先などの情報を発信している。被災施設支援金や被災者義援金、ボランティア活動補助金の申請も受け付ける予定だ。
同教区のこれまでの報告によると、球磨(くま)川が氾濫して大きな被害を受けた熊本県人吉市にある人吉教会では、聖堂に浸水などの被害はなかったものの、信徒の中には自宅が流されたり、職場が大きな被害を受けたりするなどの深刻な被害が出ている。他にも同県では、水俣市の水俣教会で、聖堂が床上浸水の被害を受けた。一方、八代市の八代教会からは現在のところ被害の報告はなく、同市内にあるシャルトル聖パウロ修道女会の八代修道院や事業所にも被害は出ていないという。
福岡県では、久留米市の久留米教会で聖堂と香部屋に雨漏りがあり、信徒の住む地域では浸水被害があった。大牟田(おおむた)市の大牟田教会では、聖堂と、隣接する大牟田天使幼稚園に雨漏りがあり、聖堂のしっくいには亀裂が走っている。幼稚園では自宅に浸水被害のあった職員がおり、中には自宅に帰れない人もいた。同市内の吉野天使幼稚園でも職員の自宅が浸水被害を受けたという。
小郡(おごおり)教会(福岡県小郡市)、武雄教会(佐賀県武雄市)、多久教会(同県多久市)、菊池教会(熊本県菊池市)、山鹿教会(同県山鹿市)は現在のところ、教会施設や信者から被害の報告はないという。
アベイヤ司教は、同教区の信徒らに向けた6日付のメッセージで、「亡くなられた方々の冥福を祈るとともに被害を受けた方々の状況を心配しています。私たちも具体的な行動を通してその方々に必要な援助を届けたい」とコメント。「特に、人吉教会、水俣教会、八代教会、および被災地の修道院と関連事業所の皆様にお見舞いを申し上げると同時に、この兄弟姉妹が地域のすべての人々と力を合わせて行っている活動を応援したい」と述べた。
災害被災者支援室では、被災施設と被災信徒のための支援の準備を進めており、詳細は追って発表するという。カトリック福岡教区の「2020年7月九州豪雨災害支援特設サイト」はこちら。