カトリック東京大司教区は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて原則中止としていた公開ミサなどの教会活動を、21日から段階的に再開すると発表した。同教区では2月27日以降、公開のミサが原則中止となっており、約4カ月ぶりの再開となる。菊地功大司教は、これまでの協力に感謝を示した上で、「これからもウイルスと共生する中で、新しい教会のあり方を模索しなくてはなりません」と述べ、感染症対策を講じながらの教会活動再開に協力を求めた。
感染が再び拡大する可能性もあることから、同教区では「慎重かつ柔軟な対応が必要」だとし、状況に応じてステージ1からステージ4までの4段階を設定。公開ミサを原則中止としている現在の状況はステージ4に当たり、21日からはステージ3に移行する。
ステージ3で教会活動を行う場合の主な条件は、以下の6点。特に最初の2点は「最低限必要な条件」としている。主日のミサにあずかる義務は、ステージ4同様、ステージ3においても、教区内のすべての信徒を対象に免除される。
- 聖堂内で互いに1・5~2メートルほどの距離を保つため、入堂人数を制限する。
- 高齢者、基礎疾患のある人はミサ参加を自粛する。
- 手指消毒などの感染症対策を十分に行い、換気を保ち、ミサ参加者全員がマスクを着用する。
- ミサや集会などで聖歌を「全員で一緒に歌う」ことは控える。オルガン独奏や距離を空けての独唱などは可。
- ミサでの奉納(献金を含む)は行わない。口(舌)での聖体拝領は控える。
- ミサ以外の会議などは、20人程度までであれば、3. の対策を取り互いの距離を保った上で、短時間で行う。
引き続きミサへの参加自粛が求められる高齢者については、65~74歳は各自の判断に委ねるとしているが、75歳以上は「持病がないとしても、もうしばらくの間は、自宅でお祈りください」と求めている。また、所属教会以外の教会に移動してミサにあずかることも控えるよう要請。この他、75歳以上の司祭はミサの司式に当たり、感染を避けるため聖体授与に携わらず、代わりに「聖体授与の臨時の奉仕者」を信徒に依頼することになるとし、理解を求めた。
ステージ2になると、ミサの参加自粛対象者は体調不良者に限られる。また、主日のミサにあずかる義務が免除されるのも、健康に不安がある人のみとなる。ステージ1になれば、新型コロナウイルス発生以前と同じ、平常通りのミサと活動が可能となる。各ステージの詳細は同教区のホームページを。