米ミネソタ州で黒人男性が白人警官に首を押さえ付けられ死亡した事件を発端に、全米各地で抗議活動が行われる中、ニューヨークのクイーンズでは5月31日、警官がデモ参加者たちと共に片膝をついて祈る光景が見られた。抗議デモは暴動や略奪が大きく報じられているが、大部分は平和的に行われている。
フロリダ州マイアミデイド郡でも30日、警官がマイアミ付近のコーラルゲーブルズでデモ参加者たちと共にひざまずき、祈りをささげた。「このことは、正しい方向に向かう第一歩でした。感動的な瞬間でした」と、マイアミデイド郡警察の広報担当者はNBC(英語)に語った。
夫と共にソース教会(同州ブレーデントン)の牧師を務めるジョアン・ホーネさんはフェイスブック(英語)で、警官たちの祈りを前にして、デモ参加者たちが感動の涙を流したことを説明した。
「マイアミのデモ参加者たちが警官たちに近付くと、警官たちはひざまずいて、警察には改善が必要だと言いました。するとデモ参加者たちは、涙を流して共に祈り始めました。和解は美しいものです。より多くの和解が求められます。悪意による敵の仕業を、神様は益に変えてくださいます。しかし、そうなるためには、へりくだりと祈りと悔い改めがなければなりません」
カリフォルニア州サンタクルーズでも、同様の光景が見られた。地元警察は「(この行為の目的は)黒人に対する警察の暴力に意識を向けることです」と述べた。
ルイジアナ州バトンルージュでは、マーフィー・ポール警察署長が教会の徹夜祈祷会に参加し、あらゆる人種の市民と連帯を示した。ポール氏は地元テレビ局WAFB(英語)の取材に応じ、「このような事件が起きたからには、これまで以上の祈りが必要です」と語った。
「私たちは地域住民のために祈り続けています。市民は心を痛めています。警察はそれを理解し、認識しています。私も認識しています。耳を傾けることが大切です。米国で起きていることに積極的に耳を傾け、自分自身と警察当局に目を向け、このような事件を起こさないためにどうすればよいか、自問することが重要です」