世界を震撼させている新型コロナウイルスの危機に、クリスチャンはどう対応すべきか。約1世紀前にスペイン風邪の大流行を乗り越えた教会に学ぼうと、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(JAG)は4日、米国アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団が開設した新型コロナウイルスに関する特設サイトの中から、当時の対応について取り上げた記事を紹介した。
1918〜20年にかけて世界中で5億人が感染、5千万人が死亡したとされるスペイン風邪の大流行は、ちょうど米国でペンテコステ運動が広がり始めていた時期に起こった。記事を執筆した歴史学者のダニエル・D・イスグリッグ氏は、「非常に興味深いと思ったのは、今回のパンデミックは、1918年の『スペイン風邪』といわれたインフルエンザ・パンデミックのおよそ1世紀後に起こっているということです」と指摘する。
当時発行された米国アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の記録誌「ペンテコスタル・エバンジェル」には、同教団の全教会が閉鎖され、幾つかのリバイバル集会が中止に追い込まれた事態が記録されている。イスグリッグ氏は、礼拝の中止や多くの死という厳しい現実に直面する中で、当時の教会では、失われた人々に向けた宣教への思いがより増し加わっていったと分析する。
同誌は当時の記事で、教会の閉鎖を報じるとともに、「愛である御父の心に向かう道、私たちの声を聞かれる主の耳に向かう道は、今もなお開かれています。この時を、今までに加えて心と時間を使って宣教師や最前線で戦う者たちのために、世界のリバイバルのために祈りをささげていく開かれた機会だと捉えています」と伝えている。また、実際にそれまで以上に信者を訪問し、救いを求める者たちに福音を語ることで、クリスチャンたちが目覚め、聖霊に示されたように祈ると、家族、友人、近所の人々が次々に救われていったという宣教の報告も記されている。
イスグリッグ氏は、ペンテコステ運動初期の教会におけるスペイン風邪への対応から、今日のクリスチャンが学べる事柄を2つ挙げた。一つは、信仰者たちが歴史上最悪のパンデミックを耐え抜いたことだ。「彼らは癒やしを信じているものの、信仰によってその病から逃れられるとは主張しませんでした。実際、多くの者が感染し、死ぬ者もありました。それでも神は癒やし主であることを宣言し続け、多くがインフルエンザから守られ、または癒やされました。いずれにしても、彼らは神への信仰と祈りによってこの危機を乗り越えることができたことを証ししました」
二つ目は、信仰者たちが市や保健局のガイドラインに従い、指示されれば教会や宣教の働きを中止したことだ。「彼らは、感染拡大の中で決して人間の命を粗末に考えることはしなかったのです。彼らは喜んで家にとどまり、祈ることがこの危機の中でとても大切であることを分かっていました」
その上で、「確かに私たちの地域社会は悲劇的な損失を体験するかもしれません。しかし、同時に素晴らしい劇的な癒やしの証しを耳にするでしょう」と励ました。「互いに励まし合い、ケアすること、特に弱い方々をケアすることが必要です。しかし、何より私たち教会は、個人の命を大切にし、他者の安全を守るためにガイドラインにも従い、困難を乗り越えた先人たちに見習っていく必要があります。もしそれができれば、私たちも乗り越えることができるのです」
JAG理事会は、感染防止対策の実際的な方針を示した3日発表のガイドラインと併せて読むことを勧め、「かつて困難を乗り越えさせてくださった主は、今も等しく臨んでくださり、年の初めに掲げた『一致そして前進〜Go Forward!』(使徒4:29、30)させてくださることを信じます」とコメントした。