カトリック東京大司教区の菊地功大司教は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、29日までとしていた公開ミサの原則中止を30日以降も継続すると発表した。当面の間、東京教区のすべての信徒を対象に、主日のミサにあずかる義務を免除するとしている。
教会暦における1年の中心である「聖週間」(4月5〜11日)の典礼もすべて非公開となり、インターネットで映像を配信する。菊地大司教は同日、聖週間を迎えるに当たってのメッセージを発表し、四旬節をミサにあずかることなく過ごすことになった異例の事態に「非常に残念ですし心苦しく思っています」とコメントした。一方で、「もちろんミサがないことで教会共同体が崩壊してしまったわけではありません」とし、「祈りの内に結ばれて、キリストの体をともに作り上げる兄弟姉妹として信仰の内に連帯しながら、この暗闇の中で、いのちの源であるキリストの光を輝かせましょう。弟子たちを派遣する主が約束されたように、主は世の終わりまで、いつも共にいてくださいます」と励ました。
「この挑戦は、私たちに、生活において信仰を意識する機会を与えています。私たちはこの困難な時期を、信仰を見つめ直したり、聖体や聖体祭儀の意味についてあらためて学んだり、霊的聖体拝領にあずかったりと、普段はあまり気にとめていない信仰生活を、見直す機会ともしたい」。そう述べた上で、「私たちは今、体験したことのない聖週間と復活祭を迎えようとしています。聖週間の毎日を、どうか大切にしてください。聖週間の聖書朗読を必ずお読みください。祈りを共にしてください。苦難に打ち勝ち復活の栄光に達した主の力に、私たちを委ねましょう」と呼び掛けた。
東京大司教区が発表した30日以降の対応の骨子は以下の通り。
- 3月30日(月)以降も、当面の間、教区のすべての信徒を対象に、主日のミサにあずかる義務を免除する。
- 3月30日(月)以降、当面の間、不特定多数が参加する公開のミサを原則として中止する。
- 結婚式と葬儀は、十分な感染症対策を取った上で通常通り行う。
- 諸行事は、20人程度の小さい集まりを除いて、できる限り延期または中止するよう求める。実施する場合も、手指消毒、換気を十分に行い、互いの間隔を大きく取り、短時間で終了するように心掛けるよう求める。
- 聖週間の典礼は聖香油ミサを含めすべて非公開とするが、復活祭の洗礼式については主任司祭の指示に従うこと。
- 特に高齢で持病のある人は、自宅で共同体の祈りに加わるように勧める。
- 「四旬節愛の献金」をはじめ、この典礼季節に特別に献金したい人は、個別に主任司祭に相談を。