宗教改革を行ったマルティン・ルター(1483~1546)が、カトリック教会に破門されてから来年で500年となるのを覚え、カトリック教会とルーテル教会が来年6月、ローマで合同記念行事を行う。ルーテル世界連盟(LWF)が24日、発表した。
発表(英語)によると、LWFとローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会(PCPCU)は14日、スイス・ジュネーブで年次会合を開催し、ルターの破門500年を覚え、2021年6月25日に礼拝を伴う合同行事を行うことで合意した。開催日は、ルーテル教会が用いている「アウグスブルク信仰告白」が最初に読み上げられた1530年6月25日の記念日に合わせた。
宗教改革は、ルターが1517年10月31日、ドイツ・ヴィッテンベルクの城教会に「95カ条の論題」を張り出したことで始まったとされている。その後、カトリック神学者ヨハン・エリックと3週間余りにわたって論戦した「ライプツィヒ討論」(1519年)などを経て、ルターはカトリック教会との断絶が決定的となる。そして、自説を撤回しなければ破門するとした当時の教皇レオ10世の警告を無視したことで、1521年に破門された。
合意を受け、LWF総幹事のマルティン・ユンゲ牧師は「歴史を元に戻すことはできない。しかし、われわれは信仰者として、カトリックとルーテルの関係を構築し続けるために、理解、癒やし、そして和解の賜物により頼むことができる」とコメント。PCPCU議長のクルト・コッホ枢機卿は、「500年がたち、(ルターが異端とされ国外追放とされた)ヴォルムス帝国議会とルターの破門を振り返るこの時、われわれは、互いの交流において再び対立に戻るのではない。むしろ、和解の道を歩み続けることを願っている」と語った。
ルター派とも呼ばれるルーテル教会は、ルターの流れをくむプロテスタント教会。宗教改革500周年となった2017年も、カトリック教会と合同でさまざまな記念行事を開催。前年16年には、教皇フランシスコとLWF議長(当時)のムニブ・ユナン監督が共同声明を発表するなどしていた(関連記事:ルーテルとカトリック、宗教改革記念で歴史的な共同の祈り 教皇とLWF議長が共同声明に署名)。