学校法人関西学院(兵庫県西宮市)と、いずれも滋賀県に本拠を置く近江兄弟社グループ6法人は4日、社会貢献や国際貢献、教職員・学生・生徒の相互交流などで協力する包括的な連携協定を締結した。
近江兄弟社グループは、建築家で信徒伝道者であったウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)らが始めた事業に由来する法人らのグループ。1905年に米国から来日したヴォーリズは、キリスト教の伝道活動とともに、国内で1500以上の建築物を手掛けた。関西学院においても、その発祥地「原田の森キャンパス」(現・神戸市灘区王子町)の主要な校舎の設計や建築を手掛けており、現在の「西宮上ケ原キャンパス」(西宮市上ケ原)においても、その基本的なキャンパス設計や各校舎のデザインはヴォーリズの手による。両者のこうした昔からの深い関係が、今回の協定締結を後押しした。
関西学院大学大阪梅田キャンパス(大阪市北区)で行われた調印式には、関西学院からは平松一夫理事長、舟木讓院長、村田治副理事長(同大学長)らが出席。近江兄弟社グループからは、学校法人ヴォーリズ学園の藤澤俊樹理事長、公益財団法人近江兄弟社の澤谷久枝副理事長、社会福祉法人近江兄弟社地塩会の亀山謙四郎理事長、株式会社近江兄弟社の山村徹社長、株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所の中山献児社長、近江オドエアーサービス株式会社の上野昌志社長が出席した。
協定締結により、幼稚園から大学院までを運営する関西学院と、保育園・こども園から高校までを運営するヴォーリズ学園の間では、▽近江兄弟社高校と関西学院大学間の協定校推薦入学協定、▽各学校間交流、▽関西学院大学教育学部とヴォーリズ学園が運営する保育園・こども園などの間での実習・インターンシップなどを検討・協力していく。
また、関西学院と他の5法人の間では、▽学生の実習・インターンシップ、▽ヴォーリズ記念館の活用による町おこしなどのハンズオンラーニング、▽ヴォーリズ建築や他分野における共同研究などについて検討を進めていく。