有名俳優が多数出演し、聖書の世界を忠実に再現したドラマ仕立てのスマートフォンアプリ「聴くドラマ聖書」が18日、9月からのベータ版の運用を経て、正式リリースされた。同日に都内で開かれた記者発表会には、神役の大和田伸也、イエス役の井上芳雄、マタイ役のつるの剛士、ヤコブ役の六平(むさか)直政が出席し、収録当時の感想やアプリについての思いを語った。
「聴くドラマ聖書」は、文化支援事業などを目的とする日本G&M文化財団(東京都新宿区)が制作を手掛け、旧新約聖書全66巻を無料で配信する。聖書には、最新の聖書学に基づいて翻訳され、2017年に出版された「新改訳2017」を採用。奥田瑛二(イザヤ役)、加藤雅也(モーセ役)、南沢奈央(マリア役)、藤田朋子(ルツ役)、川﨑麻世(ヨハネ役)など、総勢150人に及ぶ豪華キャストが出演している。
さらに、これまでのオーディオブックのような朗読とは違う、迫力あるドラマ仕立ての演出が大きな特徴だ。臨場感あふれるサウンドを体験してもらおうと、記者発表会では、モーセに導かれたイスラエルの民が紅海を渡る場面(出エジプト14:21〜23)と、イエスが激しい嵐を静める場面(マタイ8:24〜26)が再生された。
膨大なセリフの量で収録に1年弱かかったという大和田は、「(神役という役柄を)保つというのは大変でしたけれど、面白かったです。常に、人間に対する愛を感じながらやらせていただきました」と語った。また、敬虔なクリスチャンであった父から命じられた仕事だと思い、多忙の中でもライフワークとして取り組めたと明かした。
クリスチャンであるからこそ、イエスを演じることに戸惑いを覚え、毎回祈りながら録音に臨んだという井上は、「自分自身にとっても本当に実りのある時間でしたし、これがアプリになって、これから初めて聖書の言葉に出会う方たちが、一人でもたくさん生まれることを願っています」と話した。
小さい頃から教会に通い、役作りを通してあらためてじっくり聖書を読んだというつるのは、「生きる上でのヒントなどがたくさん隠れていて、これからはアプリで(聖書に)触れることができるという素晴らしい時代なので、子どもたちにも読ませてあげたい」と語った。また、「(聖書に)こういうことが書かれていたんだと再確認する素晴らしい機会を与えていただいて、逆に、昔から聖書に触れられている方にあらためて聞いていただきたいと思いました」と話した。
役作りで初めて聖書に触れた感想を聞かれた六平は、「とても勉強になりました」と話し、族長ヤコブという大役に戸惑いながらも、「結構感情を入れてやらせていただいた部分がありました」と収録時のこだわりを語った。質問者からのリクエストに応えて、ヤコブが血のついた息子ヨセフの着物を見て嘆き悲しむ場面(創世記37:33)を披露する一幕もあった。
「聴くドラマ聖書」は、スマートフォンからiOSの「App Store」、アンドロイドの「Google Play」でダウンロードできる。