人は必ずやり直せる――。3度目の服役中に回心した元ヤクザの進藤龍也牧師が14年前、埼玉県川口市でゼロから開拓を始めた「罪人の友」主イエス・キリスト教会。このほど念願の新会堂が同市の南鳩ヶ谷に完成した。10月13日には教会員を中心に14周年記念礼拝と献堂式が行われ、続く14日には地元の牧師会をはじめ全国から関係者ら約100人が会堂いっぱいに詰め掛ける中で献堂式が行われた。14日の献堂式で進藤牧師は「本当に神様は地べたの神。いろんな人に支えられて、今まで来ました」と涙を浮かべながら感謝の言葉を伝え、神に栄光を帰した。
進藤牧師は指定暴力団の元組員で、薬物などの犯罪による受刑歴は3回で前科7犯。自身の服役経験を生かし、福音に根ざした受刑者の更生に体当たりで取り組んでいる。これまで、母親が経営していた小さなスナック「June bride」(同タイトルで映画化)を教会として使用し、出所後に助けを求める者には教会で寝泊まりをさせ、社会復帰するまで支援してきた。しかし教会が手狭になり、数年前からは建物の老朽化で立ち退きを余儀なくされ、教会を挙げて新会堂建設のために祈ってきた。
13日の献堂式では、進藤牧師と親交の深いアーサー・ホーランド牧師をゲストに迎え、米ロサンゼルスのサウスベイコミュニティーチャーチが連日、奉仕者として応援に駆け付けた。また、14日の献堂式ではコミティッドジャパン浜松の安間孝明牧師がお祝いの言葉を述べた。安間牧師は、ダニエル書10章19節「神に愛されている人よ。恐れるな。安心せよ。強くあれ。強くあれ」を贈り、「教会堂は目に見えるもので、いつかは朽ちていきます。しかし、真の土台は、進藤先生ご夫妻の深い涙や、メンバーの方々の、その痛みを乗り越えてきた涙だと信じます」と話した。「他の人々が経験していないような痛みや苦しみを乗り越えられた進藤牧師ご夫妻だからこそ、多くの人々を励まし、勇気づけ、力づけることができます。この教会が多くの人の慰め、励ましになることを信じています」と語った。
進藤牧師の師匠に当たるJTJ宣教神学校前国際部学長の中野雄一郎牧師が、マタイによる福音書16章16〜18節を本文にメッセージを伝えた。中野牧師は、「わたしは・・・わたしの教会を建てる」(18節)とのイエスの言葉を強調し、「イエス・キリストの教会。牧師は教会の責任者ではなく助け人です。イエス様のために私たちは献身し、ささげていく者でありたい」と話した。また、「イエスは主」と告白するときに、夫婦の愛、家族の愛が満たされていくと述べ、「一人一人の上に、心から妻を愛し、夫を愛する夫婦としての力を与え、子どもを愛し、孫を愛する愛を豊かにし、教会形成は心の告白の中から起こっていることを信じさせてください」と祝福の祈りをささげた。