津田塾大学理事会(東京都小平市、島田精一理事長)は11日、現職の髙橋裕子学長(学芸学部英語英文学科教授)の再任を決定した。髙橋氏は2016年4月に学長に就任しており、2期目となる。次期学長としての任期は、来年4月1日から4年間。
6月に学長選考委員会が設置され、同委が同日、髙橋氏を学長候補者として決定、理事会に推薦した。理事会も、同日開かれた評議員会の諮問を経た後、髙橋氏を次期学長に選任することを正式に決定した。
髙橋氏は1980年、同大学芸部英文学科卒業。米カンザス大学大学院で修士号(歴史学)と博士号(教育学)、筑波大学大学院で修士号(国際学)を取得。桜美林大学専任講師、同大助教授、津田塾大学助教授を経て、2004年から同大教授。この他、米スタンフォード大学、お茶の水女子大学ジェンダー研究センター、米ウェルズリー大学で研究員を務めてきた。
専門分野はアメリカ社会史(家族・女性・教育)、ジェンダー論。現在、アメリカ学会会長、歴史人類学会評議員を務めている。ジェンダー史学会では副代表理事を務めた経験があり、現在は常任理事。
共編書に『家族と教育』(明石書店、11年)、『津田梅子を支えた人びと』(有斐閣、00年)。著書『津田梅子の社会史』(玉川大学出版部、02年)では、アメリカ学会の「清水博賞」を受賞している。
津田塾大学は1900年、女子教育の先駆者・津田梅子(1864~1929)が、前身となる「女子英学塾」を創設したことに始まる。旧幕臣の津田仙の次女として生まれた梅子は6歳の時、日本最初の女子留学生5人のうち、最年少者として岩倉使節団に随行して渡米。8歳の時、米国の教会で自ら希望し、洗礼を受けている。今年4月には、2024年度上期をめどに変更される新5千円札の肖像画にも採用された。