「逃亡犯条例」の改正案をめぐり香港で大規模なデモが発生したことを受け、日本キリスト教協議会(NCC)は19日、公式サイトで声明「香港事態に関する祈りと願い」(17日付)を発表した。
NCCは声明で、香港のNCCに相当する香港基督教協進会(NKCC)議長の蘇成溢(エリック・ソ)牧師による声明(12日付)に言及。NCC総幹事とNCC東アジアの和解と平和委員会委員長が、NKCCの声明を「全面的に支持」するとした。その上で、事態がこれ以上深刻化することなく、平和的な解決へ導かれるよう願う祈りをつづった。
NKCCの蘇氏は声明で、▽香港の行政長官と立法会議長が教会の代表らと協議すること、▽改正案の審議保留、▽地域の聖職者たちがデモ隊に対し牧会的なケアに取り組むこと――の3点を求めていた。
逃亡犯条例の改正案は、香港で拘束された刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡し可能にする内容が盛り込まれており、香港の自治性を損ないかねないとして反発が広がった。これにより、9日には約100万人、16日には約200万人(いずれも主催者発表)と、香港史上最大級となるデモが発生。香港政府は改正案の審議を強行する姿勢を示していたが、18日になって林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が、社会不安を招いたとして謝罪。審議の無期限延期を発表し、事実上廃案とする考えを示した。