米南部バプテスト連盟(SBC)の出版部門であるライフウェイ・クリスチャン・リソーシーズは20日、全米で170店舗展開しているキリスト教書店「ライフウェイ・クリスチャン・ストア」を年内にすべて閉鎖し、インターネット販売に一本化すると発表した。
広報責任者のキャロル・パイプス氏は声明(英語)で、「商品の販売手法をダイナミックなデジタル戦略に移行する」と説明。「ライフウェイはライフウェイ・ドットコムおよびライフウェイ顧客サービスセンターを通じて、幅広い品ぞろえとサービスを今後も提供します」と語った。また「各教会と直接協力する教会パートナー・ネットワークを通じて、今後も顧客にサービスを提供し続けます」とした。
一方、ブラッド・ワゴナー社長代理兼CEOは「(ライフウェイは現在も)出版業務やイベント開催、教会へのサービス」を堅調に行っており、デジタル販売を通じて「力強い成長を遂げている」と強調。「ライフウェイは、デジタル販売一本化という新時代に移行しつつあります。それをもって将来に向けた備えをするとともに、顧客に対するサービス向上を図ります」と続けた。
トム・レイナー社長は今年1月、「急速な販売低迷」により実店舗の一部を閉鎖すると従業員宛ての電子メールで発表していた。
レイナー氏はメールで、「端的に言うなら、ライフウェイの販売手法をダイナミックなデジタル戦略に切り替えることが求められているのです」と説明。「販売の大部分をライフウェイの店舗からデジタル通信に移行していきます。幸いなのは、(こうすることで)将来に向けたより良い備えができることです。残念なのは、一部の店舗を閉鎖しなければならないことです」と述べていた。
当初は一部の店舗を残す考えだったが、ワゴナー氏は声明で「現在の市場予測は、もはやそれが実現可能な選択肢ではないことを示しています」とコメント。「ライフウェイは地域教会と密接な関係を築きながら、店舗を展開してきました。地域教会に仕えることができたのは、光栄なことだと思っています。今後も地域教会に仕えることで、隣人の霊的ニーズを満たす所存です」と続けた。
ライフウェイによると、各店舗の閉鎖日は現地の状況次第だが、年末までには全店が閉鎖される見込み。
ライフウェイは1891年に「バプテスト書店」として始まり、聖書やキリスト教書籍、キリスト教の音楽や映画のCD・DVD、教会の必需品やギフト商品などを幅広く販売してきた。米国では、最大手のキリスト教書店「ファミリー・クリスチャン・ストアーズ」が2015年に破産し、その後経営再建に取り組んでいたが、17年に全米の240店舗すべてを閉鎖している。