千年王国はどう考えたらよいのか。
いささか学問的で恐縮ですが、千年王国論とは、この世と来るべき世の間に、正義と繁栄と平和の千年期(長い期間)があるとするものです。これについては、初期の教会の時からさまざまな説があり、確定的見解は出ていないようです。
その解釈の仕方により、1)無千年期説、2)千年期後再臨説、3)千年期前再臨説に大別されます。
しかし、これはキリスト信仰にとって死活的に重要な教理とは考えられません。もしそうなら、聖書の多くの箇所で明瞭に書かれているはずですが、言葉としてはっきり書いてあるのは、黙示録第20章の1~6節だけです。ところが、黙示録は謎めいた、象徴的表現に満ちた書です。従って、黙示録だけから「どの説が正しい」と断定することは難しいのです。
教理は聖書の全体から導き出されねばなりませんが、聖書は一貫して、今の世と来るべき世の2つしか示していません。
それぞれ真面目なキリスト者が福音的立場から議論していますが、現在のところ、まだ一致していません。よって、他の説もあることを踏まえて、いたずらに他説を非難せずに、各自が聖書によって考えたらいいでしょう。
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