バチカン(ローマ教皇庁)は16日、性的虐待疑惑が持たれていた米ワシントン名誉大司教のセオドア・マカリック元枢機卿(88)について、聖職者としての地位を剥奪することを決定したと発表した。
発表によると、バチカンの教理省会議は13日に開いた定例会で、マカリック氏が職権を濫用し、告解の秘跡における誘惑と、未成年および成人と第6戒(姦淫〔かんいん〕してはならない)を破る罪を犯したとして、聖職者としての地位を剥奪する処罰を決めた。マカリック氏に対しては15日に通達したという。
この決定は1月11日に下されていたものだが、マカリック氏から不服申し立てがあったため、13日に再審理が行われた。
これまでの報道によると、マカリック氏は45年以上前、ニューヨーク大司教区で司祭を務めていた時代に、未成年者に対して性的虐待を行った疑いがある。この容疑を受け、バチカンは昨年6月、マカリック氏に対し一切の聖職行使停止を命令。マカリック氏は同8月、枢機卿会議を辞任していた。