「クーエの法則」という法則を聞いたことがあるだろうか?「想像は思考に打ち勝つ」という法則である。自己暗示法の創設者、フランスの精神科医・心理学者エミール・クーエによって実証された。人生の方向は、おおむね、自分が日々どのように考えているかによって決まってくる。
「すべてはますますよくなっていく。すべてはますますよくなっていく・・・」。リラックスして繰り返し静かに自分の心の深み(霊)にこう語り掛けていると、だんだん否定的な思いから解放され、すべてがよくなっていくように思えてくる。すると気力が回復し、体調もよくなり、現実の問題に前向きに取り組む力が湧いてくる。結果として、時間の遅速はあるが、生活のすべてがよくなってくる。自己暗示(想像)は、その人の思考を変え、ひいてはその人の人生を変えていく。これが「クーエの法則」である。「法則」というよりも、正しくは「原則」と言うべきである。
この「クーエの法則」は、聖書的な原則でもある。「スピリット(霊)はマインド(魂・思考)を支配し、マインドはボディ(体)を支配し、ボディはライフ(生活)を支配する」という法則である。霊が健全であれば、魂が健全になり、体が健康になり、生活が健全になる。だから、霊の健全性を保つことが一番大切である。もちろん「原則」には、時と場合によっては「例外」もある。
私たちには神から「健全な思いの霊」が与えられている(2テモテ1:7)。「健全な思いの霊」が強くなるほど、魂、体、生活が健全になる。それでは、「健全な思いの霊」が強くなるには、どうしたらよいのか。「聖書の言葉」すなわち「神の言葉」を繰り返し聞くことである。「神の言葉」は、霊であり命であり、生かす力(強化する力)である(ヨハネ6:63)。
「わたしはできる。わたしはできる・・・」(マタイ17:20、ピリピ4:13)と、聖書の言葉を自分の言葉にして繰り返し自分に言い聞かせていると、本当にできるようになってくる。
「神に造られた人」、特に、キリストを信じて「新しく造られた人」は、「神の子」すなわち「全能の父なる神の子ども」である。だから、どんなことでもできるはずである。「聖書の言葉」すなわち「神の言葉」を聞くことによって、「神の子」としての本当の自分を自覚し、その力が引き出されてくる。こうして、私は長年にわたり弁護士としてさまざまな難しい問題に取り組んできた(以前はまったく自信がなかった)。
「わたしは癒やされている。わたしは健康である・・・」(イザヤ53:5、1ペテロ2:24)
神の癒やしを信じ、繰り返しこう唱えることによって、病が癒やされ健康を維持することもできる。「神の子」は、完全に健康に造られているから、病気にかかることはないはずである。
私はすでに50年も医者にかかったことがない。健康診断も受けていない(以前は非常に病弱であった)。「主はすべての病をいやす」(詩編103:3)、「キリストの打ち傷によってあなたがたはいやされた」(イザヤ53:5、1ペテロ2:24)という神の言葉は、これを信じて宣言する者にとっては本当に癒やしを体験する力である。
聖書にいう「告白」の本来の意味は、「聖書の言葉」に心の底から同意して、これを自分で宣言することである。肯定的な自己暗示(自己宣言)は、聖書の真実を繰り返し言い聞かせ、本当の自分を引き出していくのである。
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