1. 日本の教会の絶望的な現状認識について
ここ数年、日本のキリスト教会の現状についての統計的な数字と、それに基づく将来についての非常に悲観的な見通しが、各方面から発表されている。もう打つ手はないという絶望的な観測を基に、日本のキリスト教会は消滅するほかないと断言する人たちもいる。
けれども、本当に日本のキリスト教会には明るい未来はないのだろうか?日本のリバイバルはもはや現実にはあり得ないことなのだろうか?一体何が本当に重大な問題なのだろうか?
2. 教会がその最大の使命に目覚めるなら
確かに、牧師老齢化による無牧教会の激増、少子化による教会学校の減少、神学校の次々の閉鎖、若い牧師の激減など、いろいろ深刻な問題はある。
しかし、その中でも、「教会の最大の使命は、福音を伝えることである」としっかり意識していないことが、日本の教会の抱える最大の問題ではないだろうか。クリスチャンがその使命を意識するように導かれていないことではないだろうか。
クリスチャンは天国行きのパスポートを持っている。すでに神の子どもとして認知され、天国の戸籍にその名前が登録されている。しかし、そのパスポートを持っておらず、神の子どもとして認知されていない人々の運命は、一体どうなってしまうのだろうか。
天の父の最大の願い、キリストの十字架の犠牲の最大の目的は、すべての人が救われて永遠の命を持つ神の子になることである。だから、既に救われて神の子になったクリスチャンの最大の使命、そしてクリスチャンの集まりである教会の最大の使命は、一人でも多くの人に福音を伝えてキリストの救いに導くことである。教会とクリスチャンが自らの最大の使命に目覚めるなら、明るい未来が見えてくるのではないだろうか。
なぜなら、少数ではあっても、使命感に燃えて福音を積極的に伝えている教会やクリスチャンの働きによって、救われる人たちがどんどん増えているからである。
① S教会(主任牧師は女性)では、日曜日の午後の時間に「ウェルカムタイム」という伝道集会を毎週行っている。近くの駅前では青年たちがギターで賛美して未信者を集会に誘っている。教会員のほぼ全員の救いの証しをまとめて出版して人々に配っている。その他、母子家庭支援を含むさまざまな社会的働きを通して、福音を積極的に伝えている。信徒は若者を中心に数百人に増え、間もなく大きな新会堂へ引っ越す予定である。
② 伝道熱心な鍼灸師のTさんは、鍼灸やマッサージをしながら、患者さんに福音を伝えている。そして、月1回の自宅の家庭集会に患者さんを含む知人を誘っている。すでに50人以上の人たちがキリストを信じて洗礼を受けている。
③ 20年も刑務所に入ったIさんは、獄中で救われ、伝道の使命に燃えるクリスチャンになり、出所後、受刑者支援のためのNPO法人を立ち上げた。20ページを超える福音冊子を毎月3千部以上発行し、毎月数回、各地の大学に招かれ、数十名から数百名の学生に自分の証しをして福音を伝えている。彼の伝道の働きを通して、受刑者や学生が続々と救われている。ボランティアで福音冊子を毎月1人で編集してきた女子学生は、Iさんの信仰の情熱に打たれてキリストを信じて洗礼を受け、その後法科大学院に合格し、福音を伝道する弁護士を目指して猛勉中である。
④ 私も弁護士をしているが、「最大の使命は福音を伝えることであり、弁護士という職業はそのための手段にすぎない」といつも意識している。だから、依頼者や刑事被告人に必ず自分の救いの証しをして福音を伝えている。各種の雑誌に証しを連載し、ビジネスマンの伝道団体を支援し、インターネットのブログなどに記事を掲載している。その結果、多くの人が救われてきた。
もちろん、まったく伝道しない教会はないし、まったく伝道を意識しないクリスチャンもいないと思う。そもそも熱心に伝道したからこそ教会が立ち上がったのである。違いは、どこまで使命に燃えて積極的に伝道していくかである。いつも福音伝道を最大の使命として意識し続けているかである。
3. 聖霊に熱く燃やされる
福音伝道を最大の使命として意識するならば、聖霊が強力に働いてくださる。聖霊によって燃やされると、福音を伝える情熱と力が湧いてくる。伝道する方法が示され、そのチャンスが与えられ、そして多くの実を結んでいく。聖霊によれば多くの人がイエスを主と告白することができるのである。
全知全能の父なる神にはできないことは何もない。だから、「人(教会)のピンチは、神(聖霊)のチャンス」である。
ギャラップ調査(2006年)では日本の若者の7パーセントはクリスチャンである。文化庁の統計(2016年末現在)では、191万人強がクリスチャンである。私は実数(潜在的信者数)はもっと多いと信じている。ただ教会に信者として登録されている数が少ないだけであると思う。
世界各地の有名な預言者が口をそろえて、「日本にとてつもないリバイバルが起きる」と預言している。ジョージ・スコット牧師は、昨年8月に行われた東京集会で、「10年以内に日本人の80パーセントがクリスチャンになる」と預言した。
だから、神を信じる視点から見ると、日本のキリスト教会の将来は非常に明るい。すでに魂の収穫の刈り取りの時期に入っている。
4. 重大な選択に迫られている
カナンの地を調査した12人の斥候のうち10人は、敵を恐れて「絶対に敗北する」と報告した。ヨシュアとカレブの2人は、神を信じて「必ず勝ち取ることができる」と報告した。神はヨシュアとカレブを良しとした。
カナンの地にはわずか2週間で行ける距離にあったのに、絶望的な報告を信じたイスラエルの民は、40年も荒野をさまよった揚げ句の果てに、全員が滅んでしまった。神を心から信じたヨシュアとカレブ、そして次世代の民だけが、カナンの地を攻略して、これを所有することができた。
「神を信じて伝道すれば、必ず日本を勝ち取ることができる!」と命を懸けて伝道するのか、それとも、「何をやってもダメだ!何をやっても無駄だ」と肉の目で見た現状を恐れて何もしないのか。今や、日本の教会は、その存亡の危機の中で極めて重大な選択に迫られている。
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