1. 幸福の指標
2018年8月の内閣府の調査発表によると、「日本人の74・7%が生活に満足している」と知って、大変に驚いた。マスコミの悲観的なニュースや社会一般の否定的な論調から見ると、日本人の生活満足度はもっともっと低いのではないかと思っていた。これは、現状の生活に満足しているかどうかという各人の主観的判断の集計である。
同じ年の国連調査の発表によると、「世界幸福度ランキング」では、日本は156カ国中54位である。先進国の中では最下位に近い。これは客観的な基準と指標をもとに判定したものである。
でも、これらの主観的または客観的な統計は、本当にその人の幸せの指標になるのだろうか。「生活満足度」も「幸福度ランキング」も、個人個人の本当の幸せ感とは違うのではないだろうか。
2. 幸せは心が決める
「幸せはいつも自分の心が決める」。相田みつをさんの書画の言葉の一つである。「幸せはあなたの心が決める」。渡辺和子さんの著書の題名の一つである。心の持ちよう、物事の考え方で、幸せにもなり不幸にもなる。これは現代の心理学の常識である。
そうは言っても、実行は難しい。大なり小なりの喜怒哀楽を繰り返すのが、毎日の人生である。でも、放っておくと、怒り、不平、不満、落胆、悲しみ、絶望の比重が増してきて、愛、喜び、平安、希望はどんどん減ってくる。
久しぶりにスリランカの首都コロンボを訪問した。日本とスリランカのクリスチャン・ビジネスマンの交流と福音伝道の目的で、「インターナショナルVIPクラブ(スリランカ)」を立ち上げるために招かれた。
スリランカは、かつては、30年にわたる内戦が続き、暗い、貧しい国であった。しかし、数年前に内戦が終結した今では、国全体に活気と喜びが満ちている。私を招いてくれたスリランカ人は、日本の大学に留学後、長期滞在したが、帰国後その経験を生かして、両国のビジネス・コンサルタントとして非常に成功している。「私はこれから国会議員になってスリランカを立て直します!」と、次期総選挙での当選を目指して準備している。
日本滞在中、彼は妻と3人の子どもを抱え、財布には千円札1枚しかなく、途方に暮れたことも度々あったという。しかし、その都度、必死に神に祈り、ピンチを乗り越えてきた。彼とは日本では10年来のつきあいであったが、いつも明るく元気で、笑顔が絶えず、そのような苦労をしていたとは知らなかった。
しかし、事実、彼は本当に幸せな人だったのだと思う。クリスチャンとしていつもキリストを第一にして生きていたからである。その証拠に、彼の笑顔は、日本にいた時と、スリランカにいる今とで、まったく変わっていない。
それに比べると、私が現地で出会った日本からの短期旅行者や長期滞在者(ビジネスマンや外交官)は、一様にあまり元気がなく、自分の将来について明るい希望も明確なビジョンも持っていないように感じられた。
3. 幸せの本当の指標はキリストを信じる度合いによる
聖書によれば、誰でも、イエス・キリストを信じることにより、全知全能の父なる神の子どもとなり、永遠の命、愛、希望、喜び、平安、知恵、力などのすべての良いものが、無制限に与えられてくる。その結果、必要に応じて、健康、癒やし、繁栄、安全も与えられる。だから、本当の幸せは、キリストを信じる信仰によって決まるものである。
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