あわや墜落か!
このところ私用でマレーシアに何度か飛んだ。某航空会社の激安往復夜行便に乗った。なんと、時にはJALの10分の1の値段で行ける。激安料金を売り物にしているため、中古機ばかりで、故障、事故、墜落もまれではないようだ。機内食も希望者のみ事前注文で別料金。
ある時、羽田空港を深夜出発して数時間後、乗客全員が寝ていると、突然大きく揺れ始めた機体がどんどん下降していった。「皆さん、この飛行機は気流が非常に悪い地域に入りました。安全ベルトを着用してください!」。機長が大声でアナウンスを繰り返した。
驚いて目がさめると、シャワーのように雨が激しく窓を叩きつけている。ギシギシと音を立てている飛行機は今にもバラバラに解体してしまいそうだ。自分が乗っている機体がまるで暴風雨の中の1枚の木の葉のような気がした。
「何が大丈夫なものか、ああ、こんなことになるならJALに乗ればよかった」と後悔したがすでに遅い。救命胴衣を着せられた子どもが、恐ろしさのあまり泣き叫んでいる。どんどん下降を続ける飛行機は、そのまま地上に墜落して木っ端みじんになってしまうのではないか。思わず、「神様、助けてください!」と心のうちで叫んだ。
そう叫んでいると、もまれながらも機体が急に上昇し始め、そのままグングン上昇を続けた。やがて厚い雲の層に入り、機体の揺れはもっと激しくなったが、ついに雲を突き抜けて成層圏に出ると、機体は安定して、見渡す限りの青空のかなたに燦然(さんぜん)と輝く朝日が見えた。眼下には真っ白な雲の層が広がっている。
さっきまでの恐怖と騒乱は何だったのだろうか?飛行機はやがてクアラルンプール国際空港に無事着陸した。
問題を突き抜ける
誰もが家族、仕事、健康、財政などについてさまざまな問題を抱えている。時には、それらが頭の上に重くのしかかり、やがて暴風雨のように四方八方から攻めてくる。問題を解決しようとしてもがけばもがくほど、事態はどんどん悪化し、奈落の底に落ちていくような恐怖に襲われる。
そんな時には、「神様、助けてください!」と心のうちで叫ぶことである。また、声に出して神に助けを求めることである。そうすると、叫びを聞いた神の御手によって霊魂が急に引き上げられ、問題の厚い層をグングン上昇していく。やがて、問題を突き抜けて、力強い平安の世界に入り、そこから問題の層を下に見るようになる。こうして、全知全能の父なる神がすべての問題に関与してくださっていることが分かり、現実にも問題が速やかに解決していくことを体験する。
数々の苦難を乗り越えたアブラハム・リンカーンの下記の愛用聖句は、私の愛用聖句でもある。
彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、主は彼らをその悩みから救い出された。主があらしを静められると、海の波は穏やかになった。こうして彼らは波の静まったのを喜び、主は彼らをその望む港へ導かれた。(詩篇107:28~30)
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