米国最大の福音派教会の1つであるサドルバック教会(カリフォルニア州)は12日、同教会で5万人目となる洗礼式を行った。同教会のリック・ウォレン主任牧師は礼拝前、教会員らに宛ててメールを送り、受洗者が5万人に達したことに「涙が出た」と述べた。
サドルバック教会は、ロサンゼルスに近い同州南部のレイクフォレストで38年前にスタートした。ベストセラー作家でもあるウォレン牧師は『人生を導く5つの目的』や『健康な教会へのかぎ』などの著者で、福音派の代表的な人物として知られている。
12日に洗礼槽に立ったウォレン牧師は、1980年に行われた最初の礼拝を振り返り、涙しながらこう述べた。
「あの最初の日曜日、6人の方々がキリストに人生をささげました。その6週間後、1回目の洗礼式で9人の方々にバプテスマ(洗礼)を授けたのです」
南部バプテスト連盟(SBC)のニュースサイト「バプテスト・プレス」(英語)によると、同教会は現在、19のキャンパス(拠点)があり、先週末には各キャンパスで合わせて数百人が洗礼を受けた。ウォレン牧師もそのうちの1つのキャンパスで、自ら数人に洗礼を授けた。
同サイトによると、ウォレン牧師は教会員らに「なぜバプテスマはこんなに重要なのでしょうか」と問い掛け、「2つの理由があります。1つはイエスが命じたから。そして、イエス自身も行われたからです」と説明した。
サドルバック教会は教会成長のパイオニア的存在で、これまで多くの新しい取り組みを行ってきた。
教会で週末に行う大きな集会(礼拝)と、教会員などの家庭で行う小さな集会を大々的に組み合わせたのも、同教会が全米に先駆けて成功させた取り組みだ。最終的には毎週末に行う礼拝(毎週約4万人が参加)よりも、各家庭などで行う聖書研究の方により多くの人が集うようになった。また伝道のためにインターネットを使い始めたのは93年で、最も早い時期からインターネットを活用している教会でもある。
働きは直接的な伝道活動ばかりではない。90年には、依存症や心の痛み、悪習慣、情緒障害などからの回復を手助けする「セレブレイト・リカバリー」を創設。この働きは、全米だけでなく、日本を含む世界各国の教会に広がり、これまでに10万人余りの指導者を養成してきた。
地元地域での奉仕活動も活発的に行っている。2011年には、同教会がある同州オレンジ郡にいるホームレス全員に30日間、食事を支給する活動を行った。このイベントでは約1万人の教会員が、恵まれない人々のために1万2500食余りの食事を準備した。