学校法人上智学院は2日、任期満了となる髙祖敏明理事長の後任として、同学院総務担当理事の佐久間勤氏を新理事長に選任したと発表した。1日の理事会で決定した。任期は同日から2022年3月31日までの4年間。
佐久間氏は1952年、神戸市生まれ。上智大学神学部神学科教授、イエズス会司祭。専門は旧約聖書神学。2004年から05年まで上智大学神学研究科委員長、05年から11年まで同大学神学部長、11年から16年まで上智学院カトリック指導担当理事を務め、16年から同学院総務担当理事。この他、聖母大学長、上智社会福祉専門学校長などを歴任している。
上智大学のホームページに掲載された「理事長メッセージ」で佐久間氏は、15世紀に始まる大航海時代、数多くのイエズス会士が世界の各地でそれぞれの学識と知性を駆使し、辞書もない言葉と異文化、宗教を学び、現地の人々と対話を重ねた記録が残っていることに触れ、「上智を志望する皆さんに知っておいていただきたいのは、かつて未知の世界と真剣な対話を試みた幾多のザビエルたちの志、その延長線上にこの大学はあるということです。文化や言葉、学問の分野、それぞれを隔てる壁を超える対話を通じて、より良い世界を構築しようする皆さんを、四谷キャンパスでお待ちしています」とコメントした。
また、イエズス会召命促進チームのブログに掲載された記事「なぜ私は司祭になったのか」では、司祭として聖書を学び、説明する仕事に派遣された喜びについてつづっている。その中で佐久間氏は、「ミサの説教や黙想会の聖書講話が何らかの役に立ち、人がキリストをより良く知るようになったと知らされるような機会には、司祭となった喜びを味わうことができる」とし、「人は御言葉と出会うことができる。出会うことによって変容することができる」と述べている。
同学院は、上智大学、上智大学短期大学部、上智社会福祉専門学校の3つの高等教育機関と、栄光学園中学高等学校、六甲学院中学校・高等学校、広島学院中学校・高等学校、上智福岡中学高等学校の4つの中等教育機関を擁する。イエズス会から派遣された宣教師が1913年に上智大学を開設したのが始まりで、100年以上の歴史を持つ。