救世軍は3月1日から15日まで、毎年恒例となっている「克己週間募金」を行い、海外支援や災害時の救援活動などのために寄付を呼び掛ける。
克己週間募金は世界中の救世軍が行っているもので、日本では毎年3、4月に行われる。軍服を模した制服姿の伝道者や信徒が戸別訪問をして寄付を募るほか、郵便振替や現金書留などでも呼び掛ける。期間は小隊(教会)や関連病院・施設は3月1〜15日、士官学校(神学校)は4月となる。
昨年はこの期間に約1500万円の寄付が集まり、地震や洪水、ハリケーンなどに見舞われた地域の被災者支援に充てられた。今年は新たに、バングラデシュ、カナダ、バミューダ、中南米北部(コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、ベネズエラ)、リベリア、シエラレオネ、マラウイの救世軍と協力し、助けを必要とする人々の支援を行う。
克己週間募金の起源は約130年前までさかのぼる。英国の救世軍が1886年に開いた集会で、欧州での働きを広げるために献金をアピールしたところ、1人の伝道者が「私はこれから1年間、毎日のデザート(プディング)を食べないで、その分のお金を献金致します」という約束を書いた紙を献金箱に入れたのだ。それに、救世軍の創立者で初代大将だったウィリアム・ブースが感動し、1週間だけでも何かを節約・犠牲し、その分を献金としてささげることを奨励したことで始まった。
日本の救世軍の司令官であるケネス・メイナー氏は、募金の趣意書で「今年も克己週間募金に当たり、救世軍人一同、自らを克己して献(ささ)げるとともに、皆様からのご賛同と、ご献金を賜りたく、お願いする次第です」と、募金への参加を呼び掛けている。