プロテスタントのキリスト教会で、社会福祉団体でもある救世軍が、英米の両国でキリスト教慈善団体としては最も規模が大きいことが明らかになった。
英国の慈善団体に関する情報を発信する「チャリティー・ファイナンシャルズ」(英語)によると、救世軍の英国内の社会福祉部門である「救世軍トラスト」の2016年の収入は、2億900万ポンド(約319億円)で、2位のクリスチャン・エイドの1億700万ポンド(約163億円)を2倍近く上回った。また、国際部門である「救世軍国際トラスト」は5900万ポンド(約90億円)で8位だった。
この他、3位はメソジスト独立学校トラスト(1億ポンド=約152億円)、4位は英国ワールド・ビジョン(9500万ポンド=約145億円)、5位はティアファンド(7200万ポンド=約110億円)だった。また、英国の上位10位のキリスト教慈善団体の年間の収入を合計すると、5億2千万ポンド(約792億円)になった。
チャリティー・ファイナンシャルズは、「21世紀のクリスマスが世俗的な祭典のように若干感じることがあっても、英国民はまだ、キリスト教慈善団体が英国の内外で良い、役立つ働きを行う力を持っていることをかなり信じていることを、彼らの成功から気付くべきです」と指摘している。
一方、米国でも、米フォーブス誌の慈善団体トップ100(2017年版、英語)によると、救世軍は16年、寄付収入が18億8300万ドル(約2113億円)に上り、すべての慈善団体の中で4位、キリスト教系の団体としては最も額が大きかった。
しかし、同誌(英語)によると、救世軍の15年の寄付収入は19億ドル(約2132億円)で、約1パーセント減少した。さらに、15年の額も前年比で約10パーセント減っており、減少傾向が続いている。
米国のキリスト教系の慈善団体ではこの他、8位にYMCA(10億4100万ドル=約1168億円)、11位にカトリック・チャリティーズ(8億9500万ドル=約1004億円)、13位にコンパッション・インターナショナル(8億2千万ドル=約920億円)、15位にワールド・ビジョン(7億8400万ドル=約880億円)などがランクインした。
なお、同誌のランキングは、寄付収入の額に基づいており、団体全体の収入では、YMCA(71億3700万ドル=約8010億円)が、救世軍(37億3700万ドル=約4194億円)を上回っている。