ドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人が、ハリケーン「ハービー」の被災者を支援するため、12の慈善団体に合計100万ドル(約1億800万円)を寄付した。寄付先には、サマリタンズ・パースや救世軍など、キリスト教系の団体も含まれている。
10万ドル(約1080万円)の寄付を受けた福音主義の慈善団体、サマリタンズ・パース(ノースカロライナ州)は、2100人のボランティアを動員して、テキサス州南東部のハービー被災者の住宅修復を支援している。サマリタンズ・パース総裁で大衆伝道者のフランクリン・グラハム氏は7日、自身のフェイスブックに次のように投稿し、トランプ夫婦の寄付に謝意を表した。
「テキサス州のハリケーン『ハービー』の被災者を支援するサマリタンズ・パースに、ご寄付を申し出てくださったドナルド・J・トランプ大統領とメアニア・トランプ大統領夫人に感謝を申し上げます。お二人に加えて、多くの必要を満たすために寛大にささげてくださっている皆様にも感謝します。皆様がサマリタンズ・パースの働きに信頼してくださっていることを感謝します」
同州ヒューストンに拠点を置く、国際合同ペンテコステ教会(UPCI)の災害支援団体「リーチアウト・アメリカ」も、10万ドルの寄付を受け取った。この他、救世軍と米国赤十字社はそれぞれ30万ドル(約3260円)、米国動物虐待防止協会、カトリック・チャリティーズ、ダイレクト・リリーフ、ハビタット・フォー・ヒューマニティー、ヒューストン動物愛護協会、オペレーション・ブレッシング、ポートライト包括災害戦略、チーム・ルビコンは、それぞれ2万5千ドル(約270万円)の寄付を受け取った。
ホワイトハウスは声明(6日付、英語)で、「大統領夫妻はハリケーン被災者、第1応答者(緊急対応者)、ボランティア、連邦当局者、州当局者、地方当局者らを訪問し、救援活動の一部を直接視察しました。お二人は、テキサス州における復興支援をさらに援助できることを誇りとしておられます」と伝えている。
声明によると、寄付先に選ばれた慈善団体の幾つかは、大統領の依頼によりホワイトハウスの記者団が推薦した団体だという。米CNN(英語)によると、ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は、声明が出る前の週の記者会見で、記者団に次のように尋ねていた。
「大統領は、ホワイトハウスの記者会見室にいる方々に確認を取るよう私に依頼されました。報道関係の方々は、最善で効果的な救済活動をしている団体や組織に関する調査に長けており、多くの報道をしているからです。大統領は、こちら(記者会見室)にいる方々の助言が欲しいとおっしゃっておられ、(助言があれば)私は喜んで大統領にお伝えします」
トランプ夫妻は2日、市指定の避難所となったヒューストン市内のイベント施設で被災者とも面会している。
トランプ氏はこれまでも、さまざまな団体に寄付をしている。大統領選中の2016年8月には、壊滅的な洪水に見舞われたルイジアナ州への支援のため、同州のグリーンウェル・スプリングス・バプテスト教会に10万ドルを寄付した。同教会は、サマリタンズ・パースと協力し、地域の人道支援の拠点として機能した。
大統領就任後には自身の俸給も寄付している。米ワシントン・ポスト紙(英語)よると、歴史的に戦場となった地域を維持するため、第1四半期の俸給7万8333ドル(約852万円)は米国立公園局(NPS)に寄付した。また、第2四半期の俸給は、サイエンスキャンプ(先進的科学技術体験合宿プログラム)に資金提供するため、教育省に寄付している。