米テキサス州サザーランドスプリングスの教会で今月初めに発生した銃乱射事件で、3世代9人の家族を失ったホルコムベ家が15日、葬儀を行った。一家は、参列した約3千人を前に、怒りではなく犠牲者たちが示した愛に目を向けるよう求めた。
26人が亡くなったこの事件で家族9人の死を経験したホルコムベ家は、親戚や家族の友人らと共に、花で飾られた棺が前に並べられたステージの上に立ち、涙をこらえながら話した。
この事件で自身の娘を亡くした同教会のフランク・ポメロイ牧師は、死がこの地域に暗い影を落としていると語った。しかし、ホルコムベ家の人々を含む事件の犠牲者は天国で再会を果たしていると述べ、彼らにはより良い日々が待っており、「私たちにも喜びの日が来る」と伝えた。
地元当局によると、事件の原因は家庭内の争いだった。デビン・パトリック・ケリー容疑者(26)は事件前、義理の母親と口論になり、脅迫するメッセージを送り付けていたことが分かっている。逃走に失敗したケリー容疑者は、途中で自分自身を撃ち、車内で死亡しているのが発見された。
ポメロイ牧師は事件当時、用事のため教会を不在にしており、代わりにジョン・ブライアン・ホルコムベ牧師(60)が礼拝を導いていた。複数の目撃者によると、最初に撃たれたのがホルコムベ牧師だった。
事件では、ホルコムベ牧師のほか、妻のカーラさん(58)、息子のマーク・ダニエル(ダニー)さん(36)、ダニエルさんの1歳6カ月の娘であるノアちゃん、ダニエルさんの義姉であるクリスタルさん(36)と彼女の連れ子のグレッグ君(13)、エミリーちゃん(11)、ミーガンちゃん(9)が犠牲となった。クリスタルさんは当時妊娠8カ月で、胎児の男の子もテキサス州の法律により、カーリン・ブライトと名付けられ、犠牲者の1人と数えられている。
生き残ったクリスタルさんの夫ジョンさんは、クリスタルさんが心も外見も美しい人だったと述べ、亡くなった3人の子どもたちと祝福された時を過ごすことができて幸せだったと語った。
「クリスタルの人生は、愛は決して絶えることがないことを、私たちに思い起こさせてくれるものです。彼女は心から神に仕えた高潔な女性でした」
葬儀が終わると、亡くなったホルコムベ家の9人の棺は「アメイジング・グレイス」がバグパイプで演奏される中、運び出されていった。