米南部テキサス州の教会で5日午前11時半(日本時間6日午前2時半)ごろ、黒ずくめの男が日曜礼拝に銃を乱射しながら押し入り、少なくとも26人が死亡、20人近くが負傷する事件が起こった。米メディアによると、発砲したのは白人のデビン・ケリー容疑者(26)で、逃走中に死亡した。
現場となったのは、テキサス州南部にある小さな町、サザーランドスプリングスにある「サザーランドスプリングス第一バプテスト教会」。教会内で23人、外で2人が死亡し、もう1人も搬送先の病院で亡くなった。犠牲者は5〜72歳で、牧師の娘(14)や妊婦も含まれていたという。
ケリー容疑者は教会を出たところで住民のライフル銃による応戦に遭い、車で逃走。警察が追跡していたが、近くの町で衝突事故を起こし、車内で死亡しているのが見つかった。自殺か射殺かは不明。車内からは複数の武器が見つかり、ケリー容疑者は防弾チョッキを身に付けていたという。
米メディアによると、ケリー容疑者はサザーランドスプリングス近くの中心都市サンアントニオ郊外に住んでいた。過去には米空軍に所属し、ニューメキシコ州の基地で物流関係の業務に従事していたことが分かっている。
米国では今年10月、ネバダ州ラスベガスで男がホテルの高層階から野外コンサート会場に向けて銃を乱射し、58人が死亡、約500人が負傷する米国史上最悪の銃乱射事件が起きたばかり。
教会が現場となった事件としては、2015年に南東部サウスカロライナ州チャールストンの黒人教会で、当時21歳の白人青年が銃を乱射し、牧師を含む男女9人が死亡した事件がある。青年は白人至上主義を自称し、今年1月に33の罪状で有罪となり、死刑を言い渡された。
なお、今回の事件があった第一バプテスト教会は黒人教会ではない。一部のネットメディアによると、ケリー容疑者は最近、自身のフェイスブックに女性を侮蔑する言葉と共に銃の画像を掲載していたという。