かなり前のアメリカ合衆国大統領就任式でのことです。新大統領が、1人の老婆を連れて登壇し、なんと彼女を大統領席に座らせてから就任演説を始めました。後から人々は知りました。老婆こそ、新大統領の母親であることを。
就任演説を終えて、年老いた母親をいたわりながら会場をあとにする新大統領の背中に、多くの人が拍手を送りました。老婆はその後、短い期間でしたが、息子が大統領職にある間、ホワイトハウスで息子家族と暮らしました。
これは、大統領のエピソードであり、実際にあった出来事です(『100人の聖書』101ページ参照)。そして、この大統領が誰なのかというと、リンカーンのようには知られていない人物かもしれませんが、アメリカ合衆国の第20代大統領ジェームズ・ガーフィールドでした。
オハイオ州上院議員、合衆国下院議員を経て、大統領となりました。彼の息子も父の跡を継いで政治家になり、米国の内務長官を務めました。
さて、世界のベストセラーである聖書は「父と母を敬え」と教えています。有名なモーセの十戒の、5番目の命令です。
聖書という書物は、「両親を敬え」と教えている書物なのです。よく、キリスト教というと「墓参りダメ!」とか「先祖をないがしろにする、とんでもねぇ!」と思われがちですが、実は聖書ではそのようなことは教えていないのです。
ちなみに、新約聖書を読み始めた方がよく「?」とか「もー、やめたっ!」となるのは、1ページ目のマタイの福音書1章が系図から始まるからですよね。でも、それは序の口です。旧約聖書の13番目の歴代誌Ⅰを開いてくださいね。スゴイことに、この歴代誌Ⅰは1ページ目の1章から9章まで何十ページも系図ですから!すごい、すごい、人の名前の連続です。
というように、聖書という書物には、系図がいっぱい書かれているのです。なぜなのかというと、それほど、キリストの神様は「両親を敬うこと」と「ご先祖様を感謝すること」を望んでおられるからなのです。聖書は、数多くの箇所で、「両親を敬え」と教えています。ガーフィールド大統領のように、どんどん親孝行していきたいですね。
「キリスト教は墓参りがダメで、先祖をないがしろにする!」とよく思われがちですが、そんなことは聖書に書いてありませんし、本当の聖書の教えでもありません。ご安心ください。
キリストの神様に決めてください。キリストの神様を自分の神と決めても、安心して堂々と墓参りに行くことができるのです。そして、周囲の人以上にご先祖様のことを感謝して生きていくことができます。
お墓は、ご先祖や今は亡きご家族の記念碑と考えるのが、聖書的に正しいものです。そのお墓の中に、ご先祖様や最愛の家族がいることはありません。ですから、お墓の前でご先祖様や亡き家族に祈る必要は一切ありませんし、それは正しいことではありません。故人を拝み、故人に祈るのでなく、お墓の前で、ありし日の故人を思い、尊敬することができます。
そして、私たちはお墓の前で、キリストの神様に清らかな心で、堂々とお祈りし、キリストの神様を拝めるのです。「神様。私の先祖を感謝します。先祖ゆえに私がいます。素晴らしい先祖や両親を感謝します。イエス・キリストのお名前で祈ります。アーメン」と。
そして、最愛の人やご先祖様の記念碑であるお墓をきれいに掃除して、お花を置いてあげることができます。これが、キリストの神様の喜ばれることなのです。
よく、「キリスト教は墓参りダメで、先祖を敬わない」と思われていますし、いろいろ教えられていますが、気になさらずに、キリストの神様をご自分の神と決めてください、安心して。キリスト信者こそ、堂々とお墓参りに行き、日々ご先祖様のことを感謝して生きていくことができるのですから。
それから、今週は親孝行しませんか。ガーフィールド大統領のように、大統領就任式に連れて行ってあげることはできないかもしれませんし、ホワイトハウスに招くことは難しくても、どっかに連れて行ってあげる、もしくは自宅に招待してあげることはできます。
または、ハンカチをプレゼント、花束をプレゼント、ビールをプレンゼントしてあげる。23日の祝日に感謝を込めて食事に誘ってあげる、日帰り旅行に連れって行ってあげる。良いチャンス、ちょうど23日は感謝を伝えやすい日です。
たまには、1人で過ごすのでなく、恋人、友人と遊ぶのでなく、ご両親と過ごすのもいいかもしれませんね。また、ご両親がすでに亡くなっていても、ご両親のことをもう1度思い浮かべて、ご両親のことを感謝できればいいですね。
どんな形であれ、ご両親に感謝をあらわす1週間としませんか。「お父さん、お母さん、ありがとう」。美しい言葉です!
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【書籍紹介】
篠原元著『100人の聖書』
本書を推薦します!
「他の追随を許さない数と挿話」
――奥山実牧師(宣教師訓練センター[MTC]所長)
「牧師の説教などに引用できて便利」
――中野雄一郎牧師(マウント・オリーブ・ミニストリーズ)
「聖書に生きた偉人たちの画廊」
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