「1億人のクリスチャンが世界中で迫害に直面している」「宗教的迫害の80パーセントはクリスチャンに対するもの」
世界では、キリスト教信仰を理由に迫害され、命を落とすクリスチャンが数多くいる。そうした現実を知り、彼らのために祈ろうと、プロテスタント福音派の世界組織である「世界福音同盟」(WEA)などは、毎年11月第2日曜日(地域によっては第1日曜日)を「迫害下にある教会のための国際祈祷日」(IDOP)と定めている。今年は11月5日と12日で、WEAに加盟する日本福音同盟(JEA)は、日本語の祈りのガイドを作成し、「それぞれの教会、団体で、世界中の迫害下にある兄弟姉妹のために祈りを合わせましょう」と呼び掛けている。
WEA信教の自由委員会が作成した祈りのガイドによると、クリスチャンに対する迫害は昨年も世界規模で拡大し、「歴史上最悪の状況」にあるという。特に、イスラム過激派による迫害が国境を越えて脅威となっており、迫害が激しい国上位50カ国のうち35カ国でイスラム過激派が迫害を主導している。また、民族的ナショナリズムの台頭が迫害を助長。アジアでは、政府が社会の不満のはけ口として、少数派のクリスチャンをスケープゴートにするケースが相次いでいるという。
国別では、クリスチャンに対する迫害が最も激しい国は北朝鮮で、その後にソマリア、アフガニスタン、パキスタン、スーダンなど、主に中東とアフリカの国が続く。
北朝鮮は、クリスチャンに対する迫害では16年連続でワースト1位。約7万人のクリスチャンが強制収容所で過酷な拷問と強制労働を強いられているという。ワースト2位のソマリアは、近年の政治不安により、東アフリカのイスラム過激派の活動拠点となっている。クリスチャンは常に迫害にさらされており、公開処刑にされるケースもあるという。
JEAが公開している「祈りのガイド2017」(日本語版)はこちら。迫害監視団体「オープン・ドアーズ」が、キリスト教に対する迫害の激しい国をまとめた「ワールド・ウォッチ・リスト」(英語)はこちら。