カーネル・サンダース(1890~1980)。皆さんはこの名前をご存じでしょうか。本名はハーランド・デーヴィッド・サンダースです。どういう人かというと、アメリカの実業家で、世界中で多くの人に愛されているであろうケンタッキー・フライド・チキンの創業者なのです。
かなり前の話になりますが、ある理由で石川県の小松市に出掛けたことがあります。山も海もあり、素晴らしい所でした。安宅関跡にも行ってきました。とにかく、プライベートでまた行きたいと思っています。この話がカーネル・サンダースとどうつながってくるかというと、小松滞在中に宿泊したホテルの近くにケンタッキー・フライド・チキンのお店があったのです。それで、テイクアウトしようかと、行ってみました。すると、かなり繁盛していて、なかなか自分の番が来なかったので、諦めて出てきました。そのような記憶があります。
小松市でも、そして全世界でも、多くの人においしさを届けているケンタッキー・フライド・チキンの創業者であるサンダースの言葉を、今日はご紹介します。「何をするにしろ、神様が味方してくれないようなやり方をして、うまくいくはずがない。ビジネスにしても、神様が応援してくれないようなものが成功するはずがない。・・・どんなに苦しいときでも神様に敬意をもつことを忘れずに生きていれば、必ず神様が救いの手を差し伸べてくれる」(『100人の聖書』92ページ参照)
サンダースのこの言葉を、皆さんはどう思われるでしょうか。「まさに、その通りだ!」と思われますか。
単刀直入な質問です。皆さんは、正直言って、神様が味方してくれるようなビジネスや生き方をなさっていますか。
よく引用しますが『泥流地帯』(三浦綾子著)では、まったく異なる生き方をする2人の男が登場します。このコラムでも何度か名前を紹介していますが、石村拓一がその1人です。もう1人は深城鎌治という人物です。2人の共通点は、男であること、そして北海道に住んでいることぐらいでしょうか。ただ、この2人の生きざまが、違うのです。
石村拓一は、必死になって努力します。泥流で死んだ土地を生き返らせるために、反対派(深城たち)からバカにされ、妨害され、脅され、最終的には暴行事件に巻き込まれます。彼のスゴイところは、深城の店で男たちに抱かれている幼なじみの福子をずっと愛し続けるところです。
一方、深城という男は、金のためなら何でもするような男です。泥流で死んでしまった土地を生き返らせようとする拓一や村長を妨害し、家まで乗り込んでいくこともあります。ある女をわが家に連れ込むために、妻を泥棒扱いし、卑怯な手で追い出します。
拓一と深城、どっちが幸せでしょうか。はっきり言えば、深城の方が金もありますし、バックには危ない連中がついています。一方、拓一は金もなく、毎日朝から晩まで働き詰めです。遊ぶような時間も金もなく、それだけでなく周りはほとんど敵です。
でも、拓一には彼のために泣いてくれる人がいました。彼のことを寝ることができないほど心配してくれる人がいました。深城の娘でさえ、彼と福子のために、とんでもない行動に出るのです。
本当に幸せな生き方とは、神様が味方してくれるような生き方ではないでしょうか。協力者や仲間は、どんな生き方をしていても、いるものです。チャレンジしませんか。今日から、神様に味方してもらえるような、営業方法、学び方、儲(もう)け方、生き方をしませんか。不倫なんて、やめましょう! 神様が味方してくれるとは思えません。体を売るのはやめましょう! 神様が賛成してくれるとは思えません。神様が味方してくださるような人生をスタートしましょう。
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【書籍紹介】
篠原元著『100人の聖書』
本書を推薦します!
「他の追随を許さない数と挿話」
――奥山実牧師(宣教師訓練センター[MTC]所長)
「牧師の説教などに引用できて便利」
――中野雄一郎牧師(マウント・オリーブ・ミニストリーズ)
「聖書に生きた偉人たちの画廊」
――峯野龍弘牧師(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会)
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