イランで牧師を含むキリスト教徒3人が、教会関連の活動を理由に10年以上の禁錮刑を宣告された。3人は冒とく罪や「国家安全保障に反する活動」を行ったとして罪に問われている。
イランのキリスト教界は、政府による度重なる投獄の脅威に苦しみ続けており、世界のキリスト教共同体に祈りを求めている。イスラム教国であるイランでは、ペルシャ語を話す教会は違法と見なされるため、その多くが地下教会とならざるを得ないという。
中欧発のキリスト教ニュースメディア「ボス・ニュース・ライフ」(英語)が今月初めに伝えたところによると、キリスト教徒の男性3人が「違法」なキリスト教活動の罪で10年以上の禁錮刑を宣告された。
禁錮刑を宣告されたのは、ビクトール・ベット・タムラズ牧師、アミン・アフシャール・ナデリさん、ハディ・アスガリさんの3人。タムラズ牧師とアスガリさんは禁錮10年、ナデリさんは禁錮15年の判決が言い渡された。3人の保釈金はそれぞれ2億トマン(約670万円)に引き上げたと伝えられている。
タムラズ牧師は、「伝道の実施」や聖書の印刷と配布、「違法な家の教会活動」などを行ったことで罪に問われ、息子や妻も、キリスト教活動を理由に裁判所の審問を受けることになっている。
ナデリさんは、イランで頻繁に使われる「国家安全保障に反する活動」を行ったとして罪に問われた。また、ナデリさんはキリスト教に改宗した元イスラム教徒であるため、冒とく罪にも問われている。アスガリさんもイスラム教からの改宗者で、「家の教会の創設と組織化」を行ったことで訴えられている。
英国に拠点を置く「世界キリスト教連帯」(CSW)によると、他にもイラン人キリスト教徒4人が、6月にそれぞれ10年の禁錮刑を宣告されたという情報があるという。
イランのキリスト教徒たちは、勾留中の人たちのために祈り、「イランにおけるキリスト教徒に対する迫害に責任のある者たちが、憐(あわ)れみを愛し、公正に行動し、イエスについて知り、彼に従うことを選択するよう」求めている。