政府による弾圧にもかかわらず、イランの家の教会が成長している。大規模な洗礼式で数百人もの人々が受洗しており、絶望と自殺から彼らを救ってくださるイエス・キリストを人々は賛美していると、イランで活動する宣教団体は伝えている。
イランの教会成長を支援するキリスト教団体「イラム・ミニストリーズ」が12日に発表した報告によると、イラン国外のある地域でペルシャ語圏の8つの教会が集い、大規模な洗礼式が行われ、200人余りのイラン人とアフガニスタン人が洗礼を受けた。
報告によると、イランのキリスト教信者は20年前、2千〜5千人しかいないと考えられていたが、新しい統計によると、現在は30万〜100万人存在する可能性があるという。
キリスト教迫害監視団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC)の南アジア地区責任者であるウィリアム・スターク氏は、この報告を受け、イランでキリスト教が成長していることを示す要素が数多く見られると、クリスチャンポストに語った。
「イランにいる関係者によると、家の教会ムーブメントは、政府による迫害にもかかわらず驚異的な成長を見せています」
「実際、イランのアヤトラ(イスラム教シーア派の高位指導者)は、家の教会の動きを警戒しており、家の教会は『イスラム教徒の信仰を脅かし、若いイスラム教徒を惑わしている』と繰り返し述べています。また政府は、イランの福音派キリスト教徒は国家安全保障に対する脅威だと揶揄(やゆ)しています。政府は、家の教会が海外の『敵』に支援されていることを認識しているのです」
ICCは、キリスト教に改宗したイスラム教徒が迫害に直面していることを特に懸念している。イスラム教への背教は、イランでは公式には犯罪として成文化されていないものの、入信して間もないキリスト教徒は頻繁に抑圧を受けている。
「そのような迫害に直面しても、教会は成長し続けています。人々に希望を与えるからでしょう」と、スターク氏は指摘する。
イラム・ミニストリーズのマーク・ハワード氏をはじめとする他のオブザーバーらは、モハバット・ニュースのインタビューで、近年のイランにおけるキリスト教の台頭には目覚ましい勢いが感じられると語った。
「欧州ではペルシャ語を話す難民への伝道が大きく前進しており、イランでは教会が幾つも開拓されています。今、人々は心を開いています」と、ハワード氏は言う。
「毎日、たくさんの人が入信しています。おなかをすかせた人に食べ物や水を与えると、その人たちはそれを他の人にも分かち合いたいと思うでしょう。それと同じことがイエス・キリストに関して起きています。人々は真理に飢え渇いており、多くの人がイエスのうちに真理を見いだしています。入信した人たちは、他の人と信仰を分かち合いたいと思うようになるのです」
ハワード氏は、家の教会の成長要因として、生活の質が改善されないために、民衆がイラン政府に幻滅したり、イスラム過激派による暴力のために、イスラム教に幻滅したりしていることを挙げた。
新たに受洗したキリスト教徒の中には、深い絶望の中から救われたことを神に感謝している人たちもいる。ある匿名の入信者は、キリストが希望を与えてくれる前は、自殺願望があったことを打ち明け、「過去から自由になれるとは1度も考えたことがありませんでした。でもイエス様は、私を自由にしてくださいました」と語った。
イラン系米国人のサイード・アベディニ牧師など、信仰の故に苦しんだ著名なキリスト教徒らは、イエス・キリストを信じれば、イランの人々に前向きな変化が起こることを予想していた。
イランの刑務所で3年半過ごしたアベディニ氏は今年1月に釈放され、7月にパリで行われたイラン国民抵抗評議会(NCRI)の大会で、「イラン人の復活」が間もなく訪れると10万人の前で語った。
「私が今ここにいることは、抵抗運動の一つ一つが勝利につながることの証しです。それは自由の勝利です。聖書に書かれている神のメッセージは、私たちが専制政治に抵抗すべきだというものです」と、アベディニ氏は群衆に語った。
「私たちの国で、私たちの心の中で、また世界中で、間もなくこのような抵抗が起こるでしょう。なぜなら、イエス・キリストがこのメッセージを伝えているからです」「イランの人々は指導者たちよりも近代的で進歩しています。国民は友人や宗教を選ぶことができます。米国やイスラエルに対する批判をやめる時が来ました。私たちは両国を愛すべきです」とアベディニ氏は語った。