<本文と拓本>32文字(424+32=456)
齋以伏識而成(齋は伏識をもって成し)、戒以靜慎為固(戒は静慎をもって固める)。七時礼讃(七度の礼讃をし)、大庇存亡(生きた者や死んだ者を大いに庇う)。七日一薦(七日に一回)、洗心反素(心を洗い素に反る)。真常之道(真常の道は)、妙而難名(妙で名付け難し)。
<現代訳>
清めは思慮深い心で成し、戒めは静と慎みで堅固にされます。日に7度の礼拝祈祷をささげ、生きている者や亡くなった者のために日ごとに執り成し、7日に1度は心を洗い素(信仰の原点)に戻ります。真理の道は不思議です。
<解説>
景教徒たちの日々の教会生活が書かれています。生きている信徒、亡くなった信徒すべてのために執り成しの祈りもささげ(大庇とは大いにかばうとか、おおうの意味から、執り成しの祈りをささげるとした)、1日に7度の礼拝賛美をささげます。
旧約聖書の詩篇119篇164節に「私は日に七度、あなたをほめたたえます」とあり、7度については文字通りの7度であることと、7を完全数として絶えず祈り続ける意味とも考えられますが、木を撃って時を告げていたことから1日の7回を指すと考えます。
また、1週間に1度の主の日の礼拝をささげることにより、主なる神様に生かされている原点を思い起こし、心を洗い清めます。
このような祝福された信仰生活により、日々の霊的パワーを受けていたことが分かります。
※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
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