英ロンドンのセントポール大聖堂で、この千年余りの歴史で初となる女性の聖歌隊員が誕生する。
英国国教会のロンドン主教座聖堂であるセントポール大聖堂は2月27日、南ロンドン出身のキャリス・ジョーンズさんを、満場一致で同大聖堂で初となる女性の「聖歌助手」に任命したと発表した(英語)。セントポール大聖堂の聖歌隊は現在、少年ソプラノ隊員26人、準隊員8人、聖歌助手12人で構成されている。聖歌助手はアルト、テノール、バスの三声部を担当するプロの成人正隊員で、ジョーンズさんは今年9月から、アルトの聖歌助手となる。
任命を受けジョーンズさんは、「セントポール大聖堂の聖歌助手に任命され、感激しています。フレンドリーで非常に優れた音楽家たちのグループに加われることを、とても幸運に思います」と語った。
「由緒ある歴史的伝統と、21世紀のロンドンという活気ある場を、何とかして結び合わせようとしてきたセントポール大聖堂には、長らく敬意を払ってきました。そして今、その一員となる栄誉を与えられたのです」
同大聖堂の音楽ディレクターであるアンドリュー・カーウッド氏は、「私たちはジョーンズさんが聖歌隊に加わることを喜んでいます。オーディションの最終審査は非常に水準の高いものでした。そして彼女の任命は満場一致の決断でした」と述べた。
ケンブリッジ大学と王立音楽アカデミーを卒業しているジョーンズさんは、5月に第2子の出産を予定している母親でもある。ロンドン・オラトリオ合唱団のメンバーであり、オラトリオやオペラではソロ歌手としての経験もある。また、「スタイル・アンティコ」や「ガブリエリ・コンソート」などの声楽アンサンブル、「テネブレ」などの合唱団でも活躍するなど、幅広い経歴を持っている。