英国国教会が提供する新しい大型教材により、英国内の学校のキリスト教教育が変革されている。
6カ月前から導入され始めた新教材「Understanding Christianity(キリスト教の理解)」は、英国内の2千校余りで数千人の子どもたちに恩恵をもたらしている。この教材は、救いなどの主要な神学的概念に焦点を当てており、生徒がキリスト教の信条を理解する大きな助けとなっている。
英国国教会のスクール・キャラクター部門と英国国教会・メソジスト系学校法定検査局(SIAMS)の開発局長を務めるデレク・ホロウェイ氏の元には、宗教教育の「真の前進」だとする声や、宗教教育における「最高の教材」だといった称賛の声が、数百人もの教師から寄せられている。
ホロウェイ氏は英国国教会のブログで、この教材は「生徒たちの神学的知識を高め、キリスト教講話の理解を深めるのに役立ちます」と述べている。また、「この教材は、子どもたちが世の中の仕組みやその中での体験を理解するのに役立つだけでなく、宗教的信条や信仰について情報交換する自信を育みます」と言う。
2014年の報告以降、学校におけるキリスト教教育は、手法のさらなる発展を迫られた。
この教材は、4歳から14歳までの生徒を対象としたもので、他のさまざまな宗教でも同様の教材が求められている。
英国国教会の主任教育官であるナイジェル・ジェンダース氏は、5月にこの教材を世に送り出した際、次のように述べている。「宗教教育の主な役割は、宗教的識字率を高めることです。子どもたちが宗教的信条や信仰について対話できるようになることは、平和な社会の構築に不可欠なだけでなく、無関心や過激主義を抑制することにも役立ちます」
「英国の豊かなキリスト教文化の中で、学校のキリスト教教育を充実させるために、英国国教会が一定の役割を果たしてきたことは確かです。この大型教材は、生徒たちの神学的知識を高め、キリスト教講話の理解を深めます」
ケンブリッジ大学神学部の名誉教授であり、教材開発プロジェクトのコンサルタントであるデイビッド・フォード教授は、「この教材は、聖書本文とキリスト教の信条や実践、また生徒たちの生活を相互に結び付けるもので、目覚しい成果を上げています」と語った。
「教師も生徒もやることが多くて大変ですが、この教材は、双方に対して多くの情報を提供します。キリスト教徒にも非キリスト教徒にも、キリスト教に関して豊かで深く、示唆に富んだ理解を約束するもので、生徒と教師の双方が探求し学ぶことのできる魅力的な学習教材です」