アルコール依存症であることを告白し、昨年7月に米サウスカロライナ州にあるニュースプリング教会から解雇されていたペリー・ノーブル牧師(46)がこのほど、再び講壇に立ち、メッセージを取り次いだ。
南部バプテスト連盟(SBC)に所属するニュースプリング教会は、毎週3万人以上が集う同州では有名なメガチャーチ。ノーブル氏は2000年に同教会の創立し、主任牧師を務めていたが、アルコール依存症などを理由に昨年7月、解雇されていた。昨年11月には、牧師職に戻ることはなく、今後は教会のコンサルタントなどとして奉仕することになるだろうと語っていた。
しかしこの2月、別の教会ではあるが、再び講壇に立つ機会を与えられた。米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)によると、親友のスティーブン・ファーティック牧師(33)が牧会するエレベーション教会(ノースカロライナ州、礼拝出席者数約2万人)で説教するよう招待された。
エレベーション教会では今月4日に創立11周年記念を祝う礼拝が行われ、ノーブル氏はこの中で再び説教する機会を得た。ノーブル氏は自身のツイッターに、「今夜、エレベーション教会で説教する栄誉を与えてくれたスティーブン・ファーティック牧師に感謝します。明日再び説教するのが待ち遠しいです」とつづった。
フェイスブックでも説教の機会が与えられたことについて語り、困難な時にいつも自分の味方となってくれたファーティック氏に感謝を示した。
「2016年7月、私は自分が2度と説教することはないだろうと思いました。私は自分自身が敵によって欺かれることを許し、イエスに頼る以上にアルコールに依存しました。けれども・・・この期間全体を通して、スティーブン・ファーティック牧師は『単に私を守る人』ではなく、むしろ私の傍らに立ち、励ましと友情の源であり続け、そして私が聞くべきことを進んで語ってくれる人でした」
講壇に立つことを許すくらい、ファーティック氏が自身を信頼してくれたことで、「死んだ者が生き返ったのだと思いました」と言う。
この苦しい試練全体を通じて、自分の本当の友が誰なのかを発見するようになったと言うノーブル氏。その本当の友の中にファーティック夫妻がいることを幸せに感じていると語った。
ノーブル氏は、「イエスは死んだ者たちを生き返らせました。もしあなたが疑い、信じていないなら、私はそれを理解できます。私自身がそういう状態だったからです。しかし、もしあなたが少し死んだようになっていても、その時でも神は全てを終わりにしてはいません。あなたのための神のご計画は、あなた自身が想像するよりもはるかに素晴らしいものなのです」と述べた。
ニュースプリング教会は昨年7月10日、「これは非常に難しく、心痛む決定でしたが、不幸にしてそうする必要がありました」などとする声明(英語)と共に、ノーブル氏の解雇(同1日付)を発表。ノーブル氏も声明(英語)を発表し、「イエスや他のものではなく、よりどころとしてアルコールに頼り始めてしまったとき、これは私の側の霊的、また道徳的な間違いでした。言い訳の言葉もありません。これは誤りであり、罪でした。心からお詫びします」「私はニュースプリング教会の指導部を信頼しており、私はこの決定を主からのものとして受け入れます。皆さんも私と同じく彼らを信頼するようにお願い致します」などしていた。
ニュースプリング教会とエレベーション教会はそれぞれ、米アウトリーチ誌(英語)の「米国で最も成長している教会」(2016年)で8位と18位、「米国で最も出席者が多い教会」(同)で3位と11位にランクインしている。