今まで祈ってきた神様はイエス様だった
「お菓子の小屋」と呼ぶ手作りの店。小さな空間だが、木の温もりと香りが心地よい。体が喜ぶおいしい焼菓子が楽しめると、和歌山県岩出市で話題の焼菓子店だ。
閑静な住宅街の中にある自宅兼店舗の焼菓子工房「*おり〜ぶあんどはに〜*」は口コミで話題となり、地元の人を中心に人気がある。
オーナーの小山紗織さんは大阪出身のクリスチャン。日本バプテスト連合橋本バプテスト教会、粉河チャペルの教会員だ。彼女がどのようにして信仰を持ったのか、聞いてみた。
「キリスト教の家庭ではなかったのですが、小さい頃から毎晩、私のことを見ていてくれる神様に祈っていました。あなたはいったい誰ですかと」
子ども心に神の存在を感じていたという。
やがて結婚、出産を経て33歳になった秋のこと。当時、小学2年生だった娘が、校門前で配られていたトラクト(キリスト教の伝道用パンフレット)を受け取った。それは捨てられることなく娘の部屋に何気なく置かれたままに。
その頃、小山さんは仕事のことで非常に悩んでいた。頭を抱えていると、「そういえば、私の罪はなんで赦(ゆる)されるのだっけ?」と、子ども時代からの疑問がよみがってきた。
そんな時ふと、娘の部屋に置かれていたトラクトを手にする。そこにはこう書かれてあった。
「だからイエス・キリストは私たちの罪のために十字架にかかって死なれたのです」
それを読んで小山さんは、「今まで祈ってきた神様はイエス様だったのか」と初めて気付いたという。そして1999年6月、日本聖公会聖ルシヤ教会(大阪府富田林市)で洗礼を授かった。
手作りの「お菓子の小屋」
その後、小山さんは2001年から焼き菓子の販売を始めた。最初は受注生産販売をしながら、パン教室、各種イベントへの参加、またカフェへの卸、委託販売などにも取り組んできた。13年5月、被災地である福島に手作りのお菓子を届けたことをきっかけに、「Olives & Honey 焼菓子工房」を開始。
そして15年11月6日、ついに実店舗「*おり〜ぶあんどはに〜*」として本格的にスタートした。3月中旬には、現在製作中のベイクハウス「Little・さんめありぃ」もオープンする。
それは、小山さんの夫の真司(しんじ)さんが日曜大工で建てたもので、完成まであとわずかだという。「数名でいっぱいになる広さですが、ゆっくり語れます」
本当に体によいものを食べてほしい
「神は言われた。『見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる』」(創世記1:29)
小山さんはこの聖書の言葉を読んで、次のように語る。
「神様がお創りになった植物って、今の私たちが口にしているものや、市場に出回っているものとは、質が全然違ったのではないかと思ったのです。神様がお創りになったものに近い食材を選びたいですね」
この店で特に人気があるのがシフォンケーキ。米粉100パーセントで、モチモチの触感だ。バターの代わりに、体によい米油を使っているという。
「巷ではグルテンフリー(小麦を使わない食品)が注目される中、米粉だけで造るシフォンケーキ屋です。メーン商品になる予定です」。和歌山初になるのではないかと語る。
販売スペースが狭いため、当面は5種類ずつ販売する。ほかに「米油マフィン」「スコーン」「天然酵母の食パン」などが棚に並ぶ。
「おいしくて体にやさしいお菓子とパン作りがモットー」という小山さんは、「食の安全と安心」に強いこだわりを持っている。
「うちは和歌山の地元中心の安全な食材を使っています。何より安心して食べてほしい」と小山さんは笑顔で語る。
あなたの賜物を土に埋めておくのか
そんな小山さんが店を始める決意をしたのは、イエス・キリストの語った「タラントンの例え」からだったという。
「1タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた」(マタイ25:18)
小山さんは言う。
「私の賜物(宝)であるお菓子づくりも、土の中に入れてふたをしてしまった時期がありました」
しかし、あるキリスト教の集会で「あなたの賜物を土に埋めておくのか」と示され、「賜物は自分のものではなく、神様のもの。あなたに差し出しますので、用いてください」と祈ることができたという。「今の働きは天から頂いたものです」と小山さん。
本当においしい、ここでしか食べられない焼き菓子が目白押しだ。詳しくは、下記まで問い合わせていただきたい。
焼菓子工房*おり~ぶあんどはに~*