トランプ政権で副大統領に就任したマイク・ペンス氏(57)。米国という超大国の行政府第2位の官職に着いた同氏は、一体どのような聖書の言葉を指針に職務を行っているのだろうか。
首都ワシントンで2日、毎年恒例の国家朝餐祈祷会が行われ、ペンス氏は祈祷会前に行われた個人的な集いの中で、自身の信仰について話し、職務を行う上で心に留めているという聖句を明かした。
米CBNの若年成人向けキリスト教メディア「フェイス・ワイヤー」(英語)によると、ペンス氏はこの集いで、職務の指針としている聖句として旧約聖書のエレミヤ書29章11節を挙げた。この聖句は、同氏にとって非常に大きな意味があるもので、行くべき道を示してくれる、同氏が希望を置いている箇所だという。エレミヤ書29章11節には、次のように書かれている。
「わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである」
自身の業績がどんなに素晴らしいとしても、全ての栄光を神に帰さなければならないことをこの聖句によって思い起こさせられる、とペンス氏は言う。
「私にとって信仰は、自分自身を信頼することではなく、私たちを導き、道を示し、常に信頼に値し、私たちのための計画を知っておられるお方に信頼を置くことです」「(この計画とは)私たちに繁栄をもたらし、災いの代わりに希望をもたらす計画です」
ペンス氏はまた、困難な時に支えとなる家庭があることは感謝なことだと語った。そして、何が起ころうとも自身の信仰に忠実であり続け、絶えず祈ることによってその信仰を保つことを誓った。
2016年の大統領選では、旧約聖書の歴代誌下7章14節を常に心に留めていたという。ペンス氏は先月行われた就任式でもこの聖句を用いて宣誓しており、この箇所には次のように書かれている。
「もしわたしの名をもって呼ばれているわたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦(ゆる)し、彼らの大地をいやす」
米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)によると、昨年の選挙期間中、ペンス氏はトランプ氏の信仰に関わる1つのエピソードを語っている。
当時2人は非常に忙しく、共に祈る時間はないだろうとペンス氏は心配していたが、トランプ氏はある時、どれほど忙しい状況でも祈ることを常に重視すると選挙チームに語ったという。
「私はあの言葉がトランプ氏の思いから消え去ってしまったのではないかと思いました。その約束を忘れてしまったのかもしれないと」「しかし、そうではありませんでした。トランプ氏は私の所に歩み寄って来て私の手をつかみ、妻と娘の手をつかんで、カレン(ペンス氏の妻)に祈るよう頼んだのです。そして妻は、その通りにしました」
ペンス氏は、トランプ氏が自らの言葉に忠実であったことがうれしかったという。またこの時、トランプ氏の中にある信仰が本物であり、有権者を引き付けるために考え出したものではいと確信したという。