北アフリカのスーダンで、幾つかの教会に反キリスト教のチラシが貼られる事件があったことを受け、同国のアルマ・ミルガニ・フセイン宗教指導相は、非難するコメントを発表した。
パリに拠点を置くオンライン新聞「スーダン・トリビューン」によると、チラシは昨年のクリスマスの時期に貼られた。イスラム教徒に、キリスト教の祝典や行事を排斥するよう駆り立てる内容で、クリスマスの時期にキリスト教徒の家庭を訪問したり、お祝いの言葉を述べたりすることをしないように呼び掛けるものだったという。
事件後、国内のカトリック教会やコプト正教会の指導者らから苦情を受けたフセイン氏は、「イスラム教では、非イスラム教徒、特にキリスト教徒を彼らの宗教上の機会に祝福することを禁じていない」とコメント。共生を促すイスラム教の教えを強調し、「全ての宗教、宗派、グループとのコミュニケーションの必要性を強調することに配慮した複数のファトワー(イスラム教の勧告)」を指摘した。
フセイン氏は、キリスト教徒や彼らと良い交友関係にある市民たちの間に不和を引き起こすような否定的な宣伝をしてはならないと述べ、全ての宗教やグループが平和的に共存するよう求めた。
事件は、スーダンで緊張が増加する中で発生した。一方、2011年に分離独立した隣国の南スーダンは、内戦の瀬戸際にあり、多くのキリスト教徒は、教会の解体や逮捕、死刑といった迫害に直面している。