関西学院大学(兵庫県西宮市)は12月、日本学生支援機構大阪日本語教育センターとミャンマーからの留学生を対象とした推薦入学に関する協定を締結したことを発表した。
同協定は、ミャンマーと日本の交流の架け橋となる人材を育成することが目的。関西学院大学で行われた締結式には、同大学の村田治学長、大阪日本語教育センターの関口雅之センター長、研究用機器機材の販売を主に手掛けるアズワン株式会社前会長の井内英夫氏らが出席した。
この協定により同大では、ミャンマーからの留学生を対象とする推薦入学制度を設定し、大阪日本語教育センターから推薦された学生を、今年4月から毎年5人まで受け入れるという。この制度の対象となるのは、「公益信託井内留学生奨学基金」の助成金を受けて、ミャンマー国内で所定の日本語教育を修了し、日本での大阪日本語教育センターにおける進学課程を修了見込みの学生だ。
公益信託井内留学生奨学基金は、1964年に明治学院大学社会学部を卒業したアズワン株式会社前会長の井内氏の個人出資(5億円)による奨学金。日本との架け橋になってもらうミャンマーの優秀な若者を支援するもので、学費、生活費、渡航費などを含め、現地での日本語学習開始から大学卒業までの6年間、1人当たり計約1千万円を支給する。妻・井内美佐子氏が寄付した奨学金(5億円)と合わせて、原則毎年10人を助成し、10期で100人を予定している。公益信託井内留学生奨学基金で認めた大学に進学することが条件となっている。
締結式の中で井内氏は、「日本とアジアとの関係が強くなることが関西の発展にもつながります」と同協定への期待を語った。また、関口センター長は「優秀な留学生を受け入れて、将来、日本とミャンマーの架け橋となる人材を送り出したい」と述べ、村田学長も「母国や世界に貢献する若者の育成に貢献することで、ミャンマーの発展に寄与できると考えている」と話した。