バイブル&アートミニストリーズ(B&A)主催の熊本地震チャリティー美術展「B&A+C2016展」が、1日から目黒区美術館区民ギャラリー(東京都目黒区)で開催されている。会期は6日まで。プロからアマチュアまで、その表現の仕方も多彩な約50人のクリスチャンアーティストの作品が展示されている。初日は、朝から降っていた雨も開場時刻には爽やかな秋晴れとなり、子どもからお年寄りまで多くの人が来場し、芸術の秋を楽しんだ。
テーマは「この時代へ、この社会へ」。これは、設立21年目の新しい歩みを踏み出したB&Aの今年からの新しい活動テーマでもある。オープニング礼拝で代表の町田俊之牧師は、フィリピの信徒への手紙2章22~25節から、このテーマに込めた思いをあらためて語った。神と美術との関係を問うてきたこれまでの20年間で、教会内においても美術への関心が高まり、アーティストたちが認められるようになってきたことを実感したという町田牧師。アーティストは口下手なことが多いが、福音を口で伝えるクリスチャンがいるように、手をもって伝えるアーティストやその支援者も立派な伝道者なのだ、という気付きを得たという。「口は心につながっている。手も同じこと。心が神につながっているならば、パウロにとってテモテやエパフロデトがそうであったように、クリスチャンアーティストたちも立派な伝道の同労者だ。趣味の集まりを超え、もっと世に出て行ってこの手の業で神の存在と愛を証ししよう」と語った。
「この時代へ、この社会へ」というテーマは解釈の余地が大きく、アーティスト一人一人がこの言葉から何を思い巡らせたかが、さまざまな作品となって展示されている。槻間萬里さんは、「神はこの時代、この社会に入って来られ、働いておられる」と受け止め、「生ける水の川」と題した油彩画で表現。牧中子さんは、「今この時代、この社会に何を求めるべきかを問うとき、まず問題を神様の御前に広げ、全てを委ね、御名があがめられるように祈る」ことの大切さを示され、「幸いなことよ」と題して油彩画を描いた。また八角洋子さんは、「私が私らしく生きる本当の喜びを知ることができたのは、イエス・キリストの救いによるものであることを、この時代、この社会に伝えていきたい」という思いを、アクリル画「フランミンゴによるイメージより」で表した。
今回は、熊本地震のチャリティー美術展ということで、展示を見るだけでなく、心に響いた作品を実際に購入することができる絵画作品はもちろんのこと、ポストカードや羊毛フェルト作品、プリザーブドフラワー、さらには展示作品にならって布絵を作ることのできる製作キットなども出品されている。数々の災害で大きく傷ついたこの国の癒やしのために、何ができるのか。この問い掛けに、クリスチャンアーティストたちは、祈りつつ、探りつつ、自分のできることをしようと、作品の製作・販売を通して支援の意思を表すという。売上金は、九州キリスト災害支援センターを通して、被災地支援に充てられる。
また、熊本の復興を願って、来場者からの応援メッセージ、イラストを集めた1つの作品を作り上げる。聖書には「家を建てる者たちの見捨てた石。それが礎の石になった」というイエス・キリストを示す言葉がある。キリストが信仰や教会の土台であり、その土台がいかに重要であるのかを語っている。熊本地震では、熊本地方の人々の誇り・心の支柱といえる熊本城が大きなダメージを受け、石垣が広範囲にわたって崩れてしまった。その石垣の石を模したカードに、メッセージやイラストを描いて土台部分に貼り付けていくインタラクティブアートを期間中に完成させ、支援金と共に現地に送る予定だ。
会期は、11月1日(火)から6日(日)まで。開場時間は午前10時から午後6時まで。ただし、最終日は午後4時まで。入場無料。詳細・問い合わせは、B&A(電話:048・837・8583、メール:[email protected])まで。