70人以上が集まった温かな教会音楽会
緑豊かな武蔵野の地「所沢」。ここは映画「となりのトトロ」や航空発祥の地として有名な町だ。今回は、9月19日に開かれた日本同盟基督教団北秋津キリスト教会主催の「だれでも音楽会2016」を取材した。同教会は1981年、宣教師により開拓された。日本同盟基督教団は、福音派の信仰を告白する教団の1つだ。同教団の存立目的は以下の通り。
「『聖書信仰、宣教協力、合議制』における一致のもと、聖霊の力により、キリストの宣教命令に応えて、神の栄光を現すことを存立の目的とし、積極的な開拓伝道と堅実な教会形成のため2006年から宣教区制を採用している」(「日本同盟基督教団沿革」から引用)
このイベントは、地元の音楽愛好家が集まって、自慢の歌声や練習の成果を発表する小さな音楽会。昨年から参加人数が増え、今回は50人近くが参加。教会員と合わせると70人という大盛況ぶりに「ほとんどの方が教会外から来てくださいました」と浜田進牧師は笑顔で語る。
浜田牧師は3児の父であり、愛知県出身。2013年に所沢に赴任し、今年4月には主任牧師に就任した。「優しく温かい牧師先生」として信徒の間でも地域でも信望の厚い牧師だ。
所沢駅から徒歩15分。小学校のすぐ目の前に白い教会が建っている。開拓直後は黄色のプレハブで礼拝が守られていたことから「ゴールデン・チャーチ」の愛称で親しまれていたという。今の教会は27年前に建築された。
十字架が掲げられた礼拝堂はステージに様変わり。出演者たちは、愛用のウクレレや楽器を大切そうに抱えながら発表に向けて準備していた。
「だれでも音楽会」は地域伝道の一環として取り込んでいる。教会と地域が一体となり交流を深めることが一番の目的だ。
浜田牧師は「教会は敷居が高いイメージがあります。まずは中に入ってもらうこと。何よりオープンにしたいです。また行ってみようと思えるようにしたい」と話す。地域との関係を良好に保つ「接点づくり」を通して、道で会えばあいさつできる、そんな関係でいたいと語ってくれた。
会場には、出演者の友人や近くのデイサービスから訪れた人もいた。演奏が終わるたびに大きな拍手が響き渡った。
ある参加者は「出演者に誘われて来ました」と楽しそうだ。ウクレレ教室の生徒だという男性は「初めてですが、楽しんでいます!」と満面の笑みで答えた。
司会を務めたのは教会員の山口さん。「今日準備してくださった皆さまに感謝します。共にお祈りしましょう」と、イベントの最初に祈りをもってスタートした。初めて教会へ来た人に配慮した温かな言葉に、出演者も緊張がほぐれリラックスできたのではないだろうか。
「息のあるものはみな、主をほめたたえよ。ハレルヤ」(詩編150篇6節)
配られた歌詞カードを手に、懐かしの「鉄腕アトム」「若者たち」「翼をください」、他にも「ひとりの手」や賛美「すべての人の主」を全員で合唱した。
教会役員や聖歌隊による賛美が一人一人の心に響いていく。北秋津キリスト教会では毎週火曜日と木曜日には聖書の学びと祈り会を行い、集会や教室などを開きながら伝道に励んでいる。最後に浜田牧師による祈りをもって閉会した。
所沢では今年の12月2日に「第24回所沢市民クリスマス・チャリティーコンサート」が開催される。地域の教会が協力して長年続けられてきた、教会主催の音楽祭だ。本当のクリスマスを伝えたいという思いで地道に続けられてきた同コンサートだが、浜田牧師は今年初めてコンサートの実行委員長を務めている。
教会のホームページでは心温まる福音のメッセージがつづられている。以下、紹介したい。(公式サイト引用)
生きるということは、楽しいことばかりではありませんね。悲しくて涙を抑えられない日もあるでしょう。苦しくてなぜ自分がこんな目にあうのかと叫びたくなる時もあるでしょう。
人をゆるせなくて、怒りがこみ上げてくる。些細なことで憤る自分さえ嫌になる。いつからこんなに怒りっぽくなったのかと、みじめで、情けない、ぼろぼろの自分の姿にがく然とする…。それはあなただけではないのです。
心に喜びと平安がほしい。良心の呵責(かしゃく)から解放されたい。ゆるぎない確かな希望を持って生きたい。元気に過ごす日も、死を待つしかない絶望の淵を歩む時も、確かなよりどころがあったら…。
それは誰もが願うことではないでしょうか。
イエス様は私たちにとって確かなよりどころを与えてくださるお方です。生きるにも死ぬにも、あなたに唯一の慰めを与えてくださるのがイエス様です。
そのことを共に分かち合いましょう。あなたのお越しを心からお待ちしています。