4日に列聖されたマザー・テレサが設立した「神の愛の宣教者会」があるインド東部の都市・コルカタ(カルカッタ)では、マザー・テレサの列聖を祝う最初の祝祭が、マザーの墓前で5日早朝にサルバトーレ・ペナンチオ・ローマ教皇使節の司式によって執り行われた。この祝祭を現地取材した同国のカトリック・ジャーナリストであるアント・アッカラ氏が5日、本紙に伝えた。
「ついに、その生涯において『貧民街の聖人』として知られたマザー・テレサの列聖が正式に完遂された。教皇フランシスコがマザー・テレサを聖人として宣言したとき、バチカンの外で最も大きな拍手喝采が、マザーの第2の故郷であるコルカタ(かつてカルカッタとして知られていた)にあるマザー・ハウスでどっと起きた」と、アッカラ氏は伝えた。
アッカラ氏によると、教皇がマザーの列聖を宣言すると、「神の愛の宣教者会」の何百人もの修道女や修練女、ボランティア、マザーを慕う人たちが、信条の違いを超えて一斉に拍手をした。
「それは、バチカンからのテレビ中継を夢中で見ていた彼女たちが、熱心に待望していた瞬間だった。マザー・ハウスに入れなかった人たちのために、屋外に1つあったものとは別に3つの大きなデジタルのスクリーンが、禁欲的なマザー・ハウスの中に設置されていた」と、アッカラ氏は伝えた。
列聖の数時間後には、それを祝う最初の祝祭が、マザーの墓前で5日午前6時のミサとともにサルバトーレ・ペナンチオ・ローマ教皇使節の司式によって執り行われた。
アッカラ氏が伝えたところによると、ペナンチオ教皇使節は説教で「コルカタの聖テレサは世界への神の賜物です」と宣言した。さらに、「マザーは全世界への神のいつくしみの大使です。貧しい人たちや恵まれない人たちに対するマザーの献身的な奉仕の秘訣は、彼女が彼ら全ての中にイエスの御顔を見ていたことです」と述べた。
荘厳なミサの後、同教皇使節はその墓前で祈りながらろうそくに火を灯した。その後、ミサの間は異なる階にいた会衆全員がバルコニーに移動し、そこで神の愛の宣教者会の何十人もの修道女たちが3つの全ての階から「マザーに喜びの祝祭を」と歌い、マザーの巨大な肖像画に目を向けていた。
これに先立ち、インド・カトリック司教協議会の公式サイトによると、同協議会事務局長のセオドア・マスカレンハス司教は8月30日、ニューデリーで行った記者会見で、マザーの列聖はインドにとって重要な出来事になるだろうと語るとともに、同国政府がマザーの列聖を祝う式典を支援していることに感謝を表した。
マスカレンハス司教は、「私たちは政府の支援に感謝します。それは世界にとって重要な日になるでしょうし、とりわけインド人にとっては、マザーがアルバニアからここに来られて福音の価値とインドの価値を融合させ、周縁にいた何百万人もの同胞たちに、カーストや信条、宗教の境界線を超えて手を差し伸べたのですから」と語った。その上で、「私たちはインドにおいて、彼女の貧困ゆえに、より豊かになり、彼女の謙遜ゆえに、より大きくなり、彼女の憐れみゆえに、祝福されたのです。彼女は私たちの間に生き、憐れみといつくしみを必要としていた人たちに、それらをお与えになったのです」と述べた。
カリタスインディアの常任理事補であるポール・ムーンジェリー神父は、「マザー・テレサは決して組織に自らを委ねることなく、カーストや信条、肌の色や宗教の境界線を超えて、周縁へと出て行ったのです。彼女は、最も欠乏のうちにある周縁化された人たちに、愛と憐れみをもって手を差し伸べようと努力しているカリタスインディアと(カトリック)教会に感銘を与え続けています」と話した。