震度7の揺れに2度襲われた熊本地震の発生から4カ月。建物の一部が破損するなどの被害を受けた九州ルーテル学院大学(熊本県熊本市)の広渡純子学長は10日、これまでの復旧・復興に向けた活動の区切りとして、支援者に向けて感謝のメッセージを発表した。
広渡学長は、「発生直後から頻発した余震への不安と緊張の中で過ごした4カ月でした」と振り返りつつも、「全国各地および海外からのたくさんの温かい励ましやご支援に支えられて学生・教職員が力を合わせて復旧・復興に取り組み、8月5日(金)に前期の授業を無事に終了することができました」と感謝の意を表した。
教育実習や就職活動なども順調に進んでいることや、立ち入り禁止となっていた体育館などもようやく復旧の運びとなったことを報告し、「今後は心の支援も含め、長期的な見通しをもって課題に取り組んでいく必要がありますが、このように一歩一歩と復興が進んでおりますことを、ご心配をいただきました皆さまにご報告申し上げますとともに、これまでの数々のご支援に対しあらためまして心より感謝を申し上げます」と結んだ。
同大によると、ほとんどの施設は復旧し、これまで一部だけ使えていた体育館も、後期の授業が始まる9月23日には、残っていた外壁の修復工事も全て完了する。しかし、校舎とは別の場所にあるグラウンドの擁壁には亀裂が入り、崩落する恐れがあるほか、阿蘇にある宿泊研修施設「ルーテル阿蘇山荘」は被害が大きく、復旧にはまだ時間がかかるという。
また、臨床心理学科を置く同大では、震災後、学生に対する心のケアを行ってきた。今後も継続して学生のメンタル支援を行うとともに、被災した学生の経済的支援にも力を入れていきたいとしている。