2017年に宗教改革500周年を迎えるのを記念して、ドイツでは、カトリック教会の司教らがプロテスタント教会と接触を図っている。
司教らは、カトリック教会とルーテル教会間の重要な神学論争にも触れながら、ドイツ宗教改革の生みの親、マルティン・ルターについて、新しく発表した報告書の中で熱く語っている。
ドイツ・マクデブルク教区のゲルハルト・フィーゲ司教は、「聖書が全てのキリスト教徒の生活の中心であり基準である、という宗教改革における重要事項を、今日ではカトリック教会も認識しています」と述べている。この認識が、カトリックとプロテスタントの分裂の主要な論争の1つになっていたことを考えると、これはカトリック側からの「オリーブの枝」(和解の印)といえる。
フィーゲ氏はまた、「このことに関連して、人間の救済のために、イエス・キリストの内に神が自己顕現されているというマルティン・ルターの基本的な見解は、福音書の中に明示されています。イエス・キリストは聖書全体の中心であり仲介者なのです」と言う。
聖書の役割と、人間と神との間を仲介する者はイエス以外にもいると考えるカトリック教会の理解は、何世紀にもわたってカトリックとプロテスタントの間を分ける2つの主要な境界線となっていた。
宗教改革500周年が近づくにつれ、エキュメニカルな努力がなされており、既に40年にわたって、カトリック教会とルーテル教会の間で、神学的、教義的な同意がなされてきている。そして今、双方の信徒を合わせると全ドイツ国民の半数以上にもなるという両教会は、一致を示そうと準備をしているようだ。
ルターの役割は重要だ。ルターはカトリックの司祭であったがために、ヴィッテンベルクの城教会の扉に「95カ条の提題」を打ち付け、異端者として非難された。今から499年前のこの出来事を記念する式典が来年に予定されている。現在ではこの提題は、ルターが「宗教的先駆者、福音の証人、信仰の教師」であることを示す文書となっている。