チェコテレビ(CT2)は6日午後、90分間にわたる番組で、1415年に異端として処刑された宗教改革者、ヤン・フスとプラハのイェロニームをはじめとした国や宗教の指導者たちを記念する礼拝を放送した。この2人は、今日では殉教者、また信仰と知性、自由の擁護者たちとして称賛されていると、世界教会協議会(WCC)が7日、WCCコミュニケーション担当上級編集者のセオドア・ジル牧師(米国長老教会)による記事として公式サイトで伝えた。
共同祈祷のエキュメニカル礼拝は、フスにゆかりの深い礼拝と教えの場である、プラハのベツレヘム礼拝堂から放送された。「彼は大学の職務の一環としてこの礼拝堂に招かれました」と、チェコスロバキア・フス派教会のマルティナ・ビクトリエ・コペツカー牧師は、その礼拝が始まる前に説明した。「彼がチェコ語で福音を説くように促されたのは、ベツレヘム礼拝堂でのことでした」
プラハの旧市街広場にある聖ニコラス教会のコペツカー牧師は、WCC青年委員会(ECHOS)の議長も務めているほか、WCCの中央委員会や常議員会でも奉仕をしている。同牧師はベツレヘム礼拝堂の指導者たちの1人として、ゼカリヤ書の預言から聖書朗読を行った。
礼拝には、スロバキアの首都であるブラティスラバのリブセ・ロイトバ牧師とヤン・フラドル司教、チェコ共和国西部の都市プルゼニのフィリップ・ストジドル司教、チェコスロバキア・フス派教会のトマス・ブッタ総大司教、そして中欧地域や世界のエキュメニカル組織と共にチェコ共和国の諸教会から蒼々たる代表者たちが参加した。街の音楽の合奏でこの礼拝は豊かなものとなり、さまざまな旗を持った旗衛隊が教会と国家、文化団体の尊重を象徴していた。
フスが火あぶりの刑にされた日である7月6日は、深く分裂していた教会の陰謀をめぐって、聖書が持つ権威のために声を大にし、自らの生まれ故郷であったボヘミア王国の各層の人々が持つ権利を支えようと彼が示した勇気に敬意を表すため、国民の休日とされている。
トマス・ブッタ総大司教は、フスは「英雄であり預言者的な人物であっただけでなく、とても人間らしくて非常に謙虚な人」であったと述べた。マルティン・ルターよりも丸1世紀前に生きた教会の改革者であった彼は、免罪符の販売に反対し、土地の言葉で福音を宣べ伝えるよう呼び掛け、聖体拝領(パンだけでなくぶどう酒でも行う「二種」聖餐)を奨励し、聖職者たちの職制や聖職者の特権の徹底的な再編を求めた。
ブッタ総大司教は、フスが大学の教授―そして最終的には学長—として、国民のアイデンティティーと言語を形成した人として、さらに会衆の優しい牧師や教師としても記憶されていると説明している。
1年前、ベツレヘム礼拝堂はヤン・フスとプラハのイェロニームの処刑から600周年の記念式典を主催した。社会がますます世俗化する中で彼らの遺産を探求しようと、その後はさらに多くの催し物や展示がプラハで行われた。
真偽のほどは分からないが、プラハ市観光の2015年の年次報告書は、過去1年間における同市への訪問者数が記録破りとなったのは、フス関連の活動によるものだと大いに称賛している。