【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)が、かねて中国との国交回復を目指し準備を進めている中で、最大の対立点である「司教任命権」について合意する用意を示している、と香港カトリック教会の指導者、湯漢・枢機卿が香港のカトリック系週刊紙「公教報」(電子版)へ7月31日付で寄稿、中国政府が司教任命問題に関してバチカンとの間で「相互に受け入れ可能な計画を追求している」と指摘した。
湯枢機卿は「中国教会と世界教会の統合」という題名の寄稿で「幸いにも数年間の努力を傾けた末に中国政府が面目を一新する成果を上げた」と書いている。
香港の宗教界やメディアは「ベトナム方式」が適用されると予想している。中国当局が認める天主教愛国会所属の教会と中国当局が認めていない地下教会の主教も共に参加する「中国主教団」を構成し、ここで主教を推薦する案が有力視されているという。
この問題が最終妥結すれば中国とバチカンの国交樹立への道が開かれるが、「1つの中国」の原則を守る中国との修交は、台湾との断交までバチカンが覚悟したことを意味しているのか。
「1つの中国」に反対し、台湾の「独立」を図るグループは、バチカンが中国との国交を樹立する際に、教皇が台湾とも並行して国交を維持することに期待を掛けている。