学校法人立教女学院(東京都杉並区)は11日、5月17日開催の理事会で、同学院の短期大学閉学を前提に、2018年度以降の学生募集停止を決定したことを発表した。
今回の事態について同学院の若林一美理事長は、「18歳人口の減少など変化しつつある社会的な状況を見据え、今回の結論に至らざるを得ませんでした」と明かし、「誠に残念」と無念さをにじませた。
その上で、在学生はもとより、17年度の入学生に対する教育、就職・進路支援などについては、これまでと同様に万全を期して臨んでいくことを伝え、さらに、卒業後も支障のない支援体制を整えていく考えを示した。
短期大学は、1967年に同学院創立90周年を記念して設立された。以来49年にわたり、建学の精神である「キリスト教に基づく人間教育」のもと、高い知識と技術を持ち、社会に貢献できる卒業生を輩出してきた。1万人を超える卒業生は、各界から高い評価を受けている。
また、40年にわたって毎年2月に公開講座を開催しており、受講を楽しみにしている区民も少なくない。こういった地域とのつながりについて同学院の関係者は、「これまでも、学院として、地域との交流を大切にしてきました。これからも、今までとは違う新しい形で、地域との交流を継続させていきます」と話した。
短期大学が学生募集停止となったことを受け、付属幼稚園の天使園も、閉園を前提に18年度以降の園児募集を停止する。天使園は、創設時から短期大学と財政面も含め一体化していたため、今後の天使園の独立した維持・運営は困難との結論に達した。同学院では今後、新しい幼稚園を設立する予定はないという。
天使園についても、短期大学同様、現在通園している園児はもちろんのこと、17年度の入園生が卒園するまでの間、これまでと同様、万全を期して臨んでいくという。
同学院の小学校、中学校、高等学校については、これまでと変わらず運営を続けていく。
若林理事長は、「募集停止に至りました事情をご賢察いただき、今後ともご理解とご協力を賜わりますようお願い申し上げます」と述べた。