笑ったり、ほほ笑んだり、サーフィンまでしてしまうピカチュウだが、今度は「ピカチャーチ(教会に行くピカチュウ)」に慣れていかなければならないようだ。
米国などで先週発売されたスマートフォン向け最新ゲーム「ポケモンGO」のプレーヤーは、ポケモンを捕まえるのに教会へ行くしかない場合が多いことに気づいて驚いている。
iOSとアンドロイド両機種対応の新ゲーム「ポケモンGO」は、米国、オーストラリア、ニュージーランドで先週、日本や欧州に先駆けて先行発売された。このゲームは、実際の世界を仮想的にレンダリングした「拡張現実」(AR)の中で出没するポケモンを探し当て、捕獲して遊ぶものだ。
「ポケモンGO」を使ったプレーヤーたちの報告によると、多くのポケモンたちが教会の中や周辺に現れるという。ゲームでは、ポケモントレーナーたちが戦ったりレベルアップする場所としてジムがあったり、またプレーヤーが新しいモンスターボールを買ったりモンスターやアイテムなどを取り引きする場所としてポケマート(ショップ)があったりするように、重要な場所として教会も設定されているのだ。
もちろん、キリスト教の指導層が必ずしもポケモンの最大のファン層であったわけではない。しかし、ポケモンのプレーヤーたちはゲームに強いスピリチュアルな要素があることを理解している。
ポケモンシリーズには、 赤・青・緑・銀・金の各シリーズ以来、伝統的な神秘主義や古代の宗教といった強いスピリチュアルな要素があった。たとえば、大海原にそびえる「おとぎの塔」のてっぺんにいる愛らしくも攻撃的な蛇、レックウザを捕まえる冒険物語がそうだ。
継続してこのゲームをプレーしていれば、忍耐、忠誠、根気、勇気、知恵といった徳目や、管理、計画、計算、そして特にポケモン繁殖計画においては、複素解析というようなことまでも学ぶことができる。
水タイプのポケモンは近くの川や湖で見つかる。草タイプのポケモンは草地周辺で見つかる。そして、恐らくいろいろな伝説を背景に持つゴーストタイプのポケモンは教会で見つかるだろう。
プレーヤーの課題は、そうしたモンスターたちを殺さずに捕まえて手なずけることだ。そして、ゲームで出会うプレーヤーと戦うことによってそのポケモンのレベルをアップする。
ゲーム情報を扱うブログ「Kotaku」によれば、「ポケモンGO」でプレーをした際、「ポケストップ」と呼ばれるスペシャルアイテムを獲得できる場所は、訪れた10カ所のうち7カ所が教会だったという。「実際、『ポケモンGO』のプレーヤーの多くが新しいモンスターやアイテムを求めて教会に足を運んでいます。どうにも治まらない宗教的いらだちは言うに及ばず、さまざまなスピリチュアルな問題を持ったポケモンの山あり谷ありの歴史を考えると、『ポケモンGO』はまだまだ未知なるゲームへと変わっていきつつあります」と、「Kataku」を運営するパトリシア・ヘルナンデスさんは書いている。