ローマ教皇ベネディクト16世は24日(現地時間)、第41回世界広報の日のためのメッセージの中でビデオゲームについて意見を述べ、暴力的なシーンや性的な描写が激しいビデオゲームは「背徳的」であり、「不快」であると非難した。
教皇は「エンターテイメントという名のもとで暴力を賞賛し、非社会的な行為や人間の性を非凡化する描写を取り入れた番組や製品は、アニメやビデオゲームを含めてそのようなものを作り出そうとする世の中の風潮の全てが背徳的だ。さらにそれが子供たちや若者たちに向けられたものであるならばますます不快である」と怒りをあらわにした。
さらに教皇は、子供たちの家庭教育におけるメディアの影響力が大きくなっていることを指摘し、各メディア界の指導者たちに対して、公益を守り、真実を擁護し、個人の尊厳を保護し、家庭が必要としているものに対してより敬意を払うように呼びかけた。
今回教皇が発したメッセージは3月20日に開催されている第41回「世界広報の日」のためのもの。2007年の世界広報の日のテーマは「Children and the Media: A Challenge for Education(子供とメディア、教育のための挑戦)」となっている。
世界広報の日とは、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、映画などのメディア媒体を用いた福音伝播のあり方について教会全体で考察する日。1960年代初期に開催された第2バチカン公会議で定められ、1967年以来毎年特別なテーマが決められ、ローマ教皇がメッセージを発している。「表現の自由」との葛藤の中でキリスト者として聖書信仰を守る方法を提唱し、福音主義教会の道しるべとして大きな役割を果たしている。