旧約聖書に登場するノアの箱舟を実物大で再現したテーマパーク「アーク・エンカウンター(箱舟との遭遇)」が7日、米ケンタッキー州ウィリアムズタウンでグランドオープンした。オープンに先立ち5日に行われた祝賀式典では、テープカットが行われ、この歴史的瞬間を見ようと約7千人が集まった。
アーク・エンカウンターや創造博物館(同州ピーターズバーグ)を運営する宣教団体「アンサーズ・イン・ジェネシス(答えは創世記に)」(AiG)の会長兼CEOであるケン・ハム氏は、米クリスチャンポストに「ますます世俗化し、偏見を抱くようになっている世界の中で、クリスチャンはこのように大規模な何かをする時なのです」と語った。
「(アーク・エンカウンターは)来るべき世代に、神の御言葉の真理を思い起こさせるためのものなのです。これは神の御言葉の真理を世に提供する私たちの方法なのです」
祝賀式典の様子は、ユーチューブでストリーム配信され、生演奏や祈り、聖書朗読、ウィリアムズタウンのリチャード・スキナー市長らによるテープカットなどが、約1時間にわたって生中継された。
スキナー氏は、アーク・エンカウンターの建設のためにさまざまな協力があったと語った。「プロフェッショナルな方法で、私たちは、市、郡、そしてアーク・エンカウンターそれぞれが何を担うことができるのかを検討しました。そして、こうしたプロ意識が、アーク・エンカウンターと彼らが立つ価値観に対する相互的な尊敬につながりました」
「私たちは、アーク・エンカウンターを支持します。そのミッションを支持します。そして私たちは、自分たちの家としてアーク・エンカウンターを持つことを誇りに思います」
AiGの共同設立者でアウトリーチ担当副会長であるマーク・ルーイ氏は、人々に箱舟を紹介しながら式典を始めた。箱舟の大きさは、長さ約155メートル、幅26メートル、高さ16メートルに及ぶ。
「今朝、7千人の方々がお集まりいただいている光景は、美しい眺めです。しかし、それに匹敵する眺めがあります。皆さんはそれを見ています。実物大のノアの箱舟です」とルーイ氏は語った。
ケンタッキー州のジーニアン・ハンプトン副知事も式典に参加し、「この非常に偉大なアトラクションが、このケンタッキー州に建設されたことは祝福です。このアーク・エンカウンターをここに持てることは光栄なことです。これからの数年間、何百万人もの方々が、アーク・エンカウンターを訪ねるためにケンタッキー州にに来てくれることを望んでいます。私は箱舟の内側を見るのが待ちきれません。箱舟は私たちの想像を絶対的に超えるものです」と語った。
集まった人々の祈りを導いたハム氏は、箱舟を指差しながら、スピーチの中で次のように神に直接語り掛けた。
「主よ、これは世界の人々、来るべき世代が思い起こすためのものです。あなたがなさった素晴らしい御業を、彼らに忘れさせないでください。あなたがどういうお方であるか、そして私たち一人一人のためにあなたがしてくださったことを。この箱舟は世界のために私たちが造ったことを思い起こすためのものです」
ハム氏はまた、アーク・エンカウンターのオープニング日に7月7日を選んだのは、創世記7章7節の「ノアは妻子や嫁たちと共に洪水を免れようと箱舟に入った」からだとし、聖書的な意味があることを説明した。
クリスチャンポストへのコメントの中でハム氏は、米国で世俗主義が増大しているが、ノアの箱舟の話は世界中の人々が聞いたことがあると語った。
「ここでは、あらゆる宗教的背景を持った、さまざまな年代のあらゆる種類の人々を見ることができると思います。たとえ彼らが私たちの聖書的価値を共有しなくても、彼らは思わず、この建物、またこの熟練した業、箱舟内部にある世界に誇れる展示に感動せずにはいられないでしょう。そして誰が知っていることでしょうか、実に彼らは私たちがするのと同じように、聖書について語るよう挑戦を受けることでしょう」
一方、この実物大の箱舟が実際に水に浮くかという質問に対して、ハム氏は、聖書では神が地球規模の洪水を再び起こすことはないと宣言しているとし、この箱舟が水に浮く必要はないと語った。
「(アーク・エンカウンターの)箱舟は船として設計され、建物として建てられました。それは本物の木材のフレームと構造を持つ船としてデザインされました。そして私たちは、箱舟を設計するために古代の船について多くの調査を行いました。しかし、この箱舟は規約上、建物として建てられました」
以前のクリスチャンポストとのインタビューの中でハム氏は、2014年に進化論と創造論をめぐって討論した、科学教育番組「ザ・サイエンス・ガイ」の元司会者として知られるビル・ナイ氏が、アーク・エンカウンターを案内するというハム氏の申し出を検討していることに言及した。
「そうです。私たちは、ビルから返事をいただきました。私は、彼がここに来ることを検討していると信じます。私たちはその点において積極的な返事をいただきました。それで、私たちはただそれが実際に起こるのを見る必要があります」
アーク・エンカウンターのウェブサイトでは、さまざまな展示、箱舟と関係した他のアトラクション情報(「ジップ・ライン」「アララト・リッジ動物園」など)を提供している。