前回の本紙の記事執筆についての基本的理解に立ち、各論的に、カトリック教会に対する態度について取り上げます。
記事の対象と記者の人格的信頼関係こそ大切であると、編集会議で確認してきました。その一例として、編集長である宮村武夫と上智大学神学部における恩師ペテロ・ネメシェギ神父の間の文通に垣間見る信頼関係が、本紙のカトリック教会に対する態度の根底にあると理解しています。
本紙のカトリック教会についての記事が、「我は聖なる公同の教会を信ず」との信仰の告白から書かれるだけでなく、上記の文通に見る、キリストにある友としての喜びを伴うことを素朴に願い、目指します。
【宮村武夫→ペテロ・ネメシェギ神父】
頌主 懐かしいネメシェギ先生に、こうして沖縄の地からお便りをすることが許され、心より感謝しております。
ネメシェギ先生がハンガリアへお帰りになられたニュースを風の便りに聞きましたが、ハンガリアのご住所を知ることができませんでした。しかし最近、高校の後輩である榎本昌弘兄がイエズス会管区長室で問い合わせてくださり、ご住所を伝えてくれました。
私どもは1986年4月青梅キリスト教会での満十六年の生活の後、沖縄の首里福音教会へ移ってまいりました。長い間、牧師のいない教会で、様々な困難を経験して来た群です。牧師を何とか派遣したいと努力する中で、自分自身が来るように導かれました。沖縄へ移ってからも、東京基督教大学、東京基督神学校へ非常勤講師として出講して来ましたが、その責任も果し終えつつあります。
沖縄で十一度目の夏を迎え、これからさらに沖縄の地に根ざしながら、聖書に聞き従い、死と罪に打ち勝ち復活なさった主イエスの僕として、主の教会に徹底的に仕えたいと思いを新しくしております。特に離島の一つ、伊江島での中高生キャンプ、青年キャンプさらに伊江島主僕高校の幻実現に心を集中しつつあります。
こうして沖縄の地での生活を重ねる中でも上智大学の神学部で、あのように親しくネメシェギ先生より学び得た経験の恵を心より感謝が益々深くなります。何と幸いな経験でしたか、言葉に表すことも出来ません。
あらゆる機会に聖書のメッセージを伝えることに努めています。しかしその際、結局は自ら生ける主イエスご自身に従って生活と生涯をモデルとして示す以外、福音の宣教はありえないことを教えられ続けています。上智での学びは、ネメシェギ先生よりの個人的ご指導を中心にまさにこの一点にあったことを教えられております。
11月24日には、「キリストの一致講演会」で、ラサール神父と共に、お話する予定になっています。United Church of Christ in Okinawa を真の意味で実現する道、聖書に基づくエキュメニカルな歩みについて提唱する予定です。
ネメシェギ先生のハンガリアでの日々のため祈らせて頂きます。
心よりの感謝をもって 1996年11月1日 宮村武夫
ペトロ・ネメシェギ先生
【ペテロ・ネメシェギ神父→宮村武夫】
クリスマスと新年のお喜びを申し上げます。
長いお手紙をもう一度読んで、心があつくなりました。
やはり私たちは、「主において愛し合う兄弟」です。沖縄とハンガリーとは、地理的に遠く離れていますが、私たちの心は一つです。沖縄でも、ハンガリーでも、キリストの福音をつたえています。
どうぞ、お身体を大事にして下さい。
そして、また、よく本を書いて下さい。
お祈りのうちに。
2010・12
ペテロ・ネメシェギ
宮村ご夫妻
【ペテロ・ネメシェギ神父→宮村武夫】
主の平和 先生からまたすばらしい著作をいただき、本当にありがとうございました。
私たちの昔の出会いを覚えて下さっているということを読んで感激しました。
その時、私たちは、若かったですね。私も、ずっと、「存在の喜び」を人々に伝えることにつとめました。
神様は、私たちが「いる」ということを喜んでおられますから、私たちも、それを喜びにしましょう。
新しい所に、人生の終わりまで、その喜びを伝えて下さい。
お祈りいたします。
2011・05・25
ペテロ・ネメシェギ
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